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#読書

COW HOUSE ―カウハウス―

わけあって25歳にして窓際族になった僕の仕事は、会社所有の豪邸の管理人。その豪邸に、いつの間にか集まったのは、なぜか丑年ばかりで――。 小路幸也さんの本です。 ああ、染みた。 小路さんの本ってどうしてこんなに温かい気持ちになれるんだろう。 最近…

君が降る日

恋人・降一を事故で亡くした志保。彼の母親が営む店を手伝う彼女の前に現れたのは、その事故の原因をつくった五十嵐だった。彼の存在を受け入れられない志保だったが、同じ悲しみを抱える者同士、少しずつ二人の距離が近づいていく…。「君が降る日」他、二編…

赤朽葉家の伝説

【第60回日本推理作家協会賞受賞】 「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ…

屋上ミサイル

大統領がテロ組織に拉致監禁されるという大事件がアメリカで発生していたものの―日本の高校生たちにとって、それは遠い国の出来事だった。それよりも、もっと重要なことがある。例えば、校舎の屋上でスケッチをすることだとか。美術の課題のため、屋上にのぼ…

架空の球を追う

やっぱり罠にはまった。そんな気がする。ふとした光景から人生の可笑しさを巧妙にとらえる森絵都マジック。たとえばドバイのホテルで、たとえばスーパーマーケットで、たとえば草野球のグラウンドで、たとえばある街角で…人生の機微をユーモラスに描きだすと…

九月が永遠に続けば

最愛の息子が失踪した直後、愛人の男が事故で死んだ。もしかして、息子が殺した…? 亡霊のように現れる過去の絆。第5回ホラーサスペンス大賞受賞作品に加筆して単行本化。 沼田まほかるさんの本です。 第5回ホラーサスペンス大賞の特別賞が、道尾秀介さんの…

クジラの彼(再読)

人数あわせのために合コンに呼ばれた聡子。そこで出会った冬原は潜水艦乗りだった。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんな彼とのレンアイには、いつも大きな海が横たわる。恋愛小説作品集。 有川浩さんの本です。 私・・いつの間にか…

午前三時のルースター

旅行代理店に勤務する長瀬は、得意先の中西社長に孫の慎一郎のベトナム行きに付き添ってほしいという依頼を受ける。 慎一郎の本当の目的は、家族に内緒で、失踪した父親の消息を尋ねることだった。 現地の娼婦・メイや運転手・ビエンと共に父親を探す一行を何者…

イニシエーション・ラブ(文庫本)

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて……。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説――と思いきや、最後から2行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず2…

少女

ベストセラー『告白』の著者が放つ、書き下ろし長篇。高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ――「人が死ぬ瞬間を見たい」。由紀は病…

The MANZAI 5

中学三年生の冬休み—。除夜の鐘を聞きながら「煩悩」について思いをはせる瀬田歩のもとに、「ぼくの煩悩を二・五倍ぐらいの数値に跳ね上げ」ている元凶・秋本貴史が迎えにくる。元二年三組の仲間たちと一緒に初詣に向かう歩。いつものようにボケあい、ツッコ…

六番目の小夜子(再読)

津村沙世子――とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だっ…

プリズムの夏(再読)

僕は、彼女を救えるだろうか。高三の「ぼく」は映画館で働く松下さんに恋をしていた。だが、彼女はうつ病日記をネットで書く「アンアン」ではないかと思い始め―真直ぐな思いを鮮烈に描く青春恋愛小説。第15回小説すばる新人賞受賞作。(解説・海原純子) 関…

疾風ガール

あたし、夏美。19歳、んでギタリスト。愛器の真っ赤なギブソンで、大好きなメンバーとぶっ飛んだライブの毎日……ずっと続くと思ってた。魂の底からリスペクトしてたボーカルの薫が、突然自殺するまでは。真実を確かめなきゃ、死んだなんて認めない! 気弱な29…

虹を操る少年

「光にメロディがあるの?」「あるさ。みんな、そのことに気づいていないだけさ」。“光”を“演奏”することでメッセージを発信する天才高校生・光瑠(みつる)。彼の「光楽」に、感応し集う若者たち。しかし、その力の大きさを知った大人たちの魔の手が忍び寄…

骸の爪

ホラー作家の道尾は、取材のために滋賀県山中にある仏像の工房・瑞祥房を訪ねる。彼がその夜見たのは、口を開けて笑う千手観音と、闇の中で頭から血を流す仏像。しかも翌日には、仏師の一人が消えていた。道尾は、霊現象探求家の友人・真備と、真備の助手・…

おじさんは可愛い。薄い髪、シワのある首、写真を撮って、ブログに載せよう。「男とは?」「若さとは?」。会話の妙と、男性描写が素晴らしい、快作。 ------------------------------------------------------------ 山崎ナオコーラさんの最新刊。最近のナ…

灰色猫のフィルム

「僕ね、母親を殺したんですよ、包丁で、すごい先の尖ったやつで」。母を殺し、知らない街をさまよう“僕”は、ホームレスのテントで暮らすようになり…。第32回すばる文学賞受賞作品。選考委員絶賛の衝撃作。 *-*-*-*-*-*-* 天埜裕文さんの本で…