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屋上ミサイル

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大統領がテロ組織に拉致監禁されるという大事件がアメリカで発生していたものの―日本の高校生たちにとって、それは遠い国の出来事だった。それよりも、もっと重要なことがある。例えば、校舎の屋上でスケッチをすることだとか。美術の課題のため、屋上にのぼった高校二年生の辻尾アカネ。そこで、リーゼント頭の不良・国重嘉人や、願掛けのため言葉を封印した沢木淳之介、自殺願望を持つ平原啓太と知り合う。屋上への愛情が共通しているということから、国重の強引な提案で“屋上部”を結成することになった四人。屋上の平和を守るため、通行人を襲う罰神様騒動、陸上部のマドンナ・ストーカー事件、殺し屋との遭遇などに巻き込まれることになる。それらはすべて、ひとつの事件に繋がっていた!『このミステリーがすごい!』大賞2009年第7回大賞受賞作。




山下貴光さんの本です。

このミステリーがすごい!大賞の、2009年・第7回大賞受賞作品です。

選考委員の意見が、真っ二つに割れた作品だったようです。
ある選考委員はA評価を、ある選考委員はC評価を下し、2:2で票が分かれたとのことで、今回の大賞は2作品となったそうですね。

1,200万円の賞金が半額になるのは、結構切ないですよね。と金の話ですいません(笑)


この作品、確かに好きか嫌いかで真っ二つに意見が分かれる作品ではあるかもしれません。
特に、伊坂幸太郎さん好きには。

私は伊坂さんの作品(特にキャラクターの個性的なところ、テンポの良い会話)が好きですが、全く嫌味なくこの作品を読むことが出来ました。

きっと伊坂作品を愛している作家なんじゃないだろうか、もう完全伊坂さん的展開と登場人物になってるよ!とツッコミたくなる所は確かにありましたが、ロックで世界が救われるならなんてかっこ良いではないですか!

「屋上部」という響きも良い、そしてその部員達の個性豊かなキャラクターも凄く良い!
未来のロックスターの弟。
日本にミサイル投下の危機が迫っているにも関わらず、何処か楽観的な父と母。
その言葉の掛け合いのテンポの良さ。
思わずにやりと笑ってしまう偶然の出来事。

偶然があまりにも偶然に出来すぎている、といわれてしまえばそれまでかもしれませんが。
逆にここまで偶然が続いて繋がって行くさまは、いっそ爽快感すら湧き上がりました。


高校生にしては、随分落ち着いているな、という印象を受けますが・・・こんな高校時代だったら、学校に行くのがきっともっと楽しかっただろうにと思いました。

青春最高!と叫びたくなるほど、読後感も爽やかです。

個人的に、主人公の恋?がどうなったのかが気になるところです。

うん、とても面白かったです。