No-music.No-life

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2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

追憶の夜想曲(ノクターン)

豪腕ながらも、依頼人に高額報酬を要求する“悪辣弁護士”御子柴礼司(みこしばれいじ)は、 夫殺しの容疑で懲役十六年の判決を受けた主婦の弁護を突如、希望する。 対する検事は因縁の相手、岬恭平(みさききょうへい)。 御子柴は、なぜ主婦の弁護をしたのか? そ…

雨のなまえ

こんな日に降るこの雨の名前を知りたかった。 妻の妊娠中、逃げるように浮気をする男。パート先のアルバイト学生に焦がれる中年の主婦。不釣り合いな美しい女と結婚したサラリーマン。幼なじみの少女の死を引きずり続ける中学教師。まだ小さな息子とふたり…

ソロモンの偽証 第III部 法廷

この裁判は仕組まれていた!? 最後の証人の登場に呆然となる法廷。驚天動地の完結篇! その証人はおずおずと証言台に立った。瞬間、真夏の法廷は沸騰し、やがて深い沈黙が支配していった。事件を覆う封印が次々と解かれてゆく。告発状の主も、クリスマスの雪…

都市のトパーズ2007

定年を前に人生に倦んでいた男は、自らの前に現れた美しい虎を、神々しいまでに崇高な野生と感じた。閉塞した都市空間において、その生は奇跡であり忘れていた闘いへと彼を誘うのだった。虎がやがて大きな飛翔を見せるとき、彼は人生最大の決断を迫られた。…

昼田とハッコウ

若者に人気の町・幸福寺にある本屋さん「アロワナ書店」。地域密着型のこの書店で、三代目・ハッコウは名前ばかりの店長となった。その頃、ハッコウのいとこの昼田は、六本木ヒルズのIT企業に勤めていた。店内でぶらぶらするだけのハッコウと、店から距離を…

もう一枝あれかし

仇討ちに出た男の帰りを騙されているとわかりながら待つ遊女(「風を待つ」)。醜男の武芸の達人と、始めた崇拝した美しい女との皮肉な巡り合わせ(「甚三郎始末記」)。夫に自害された妻の生きる道とは({もう一枝あれかし」)――身分、男の矜持、女の嗜みなどの…

ふるさと銀河線

両親を喪って兄とふたり、道東の小さな町で暮らす少女。演劇の才能を認められ、周囲の期待を集めるが、彼女の心はふるさとへの愛と、夢への思いの間で揺れ動いていた(表題作)。苦難のなかで真の生き方を追い求める人びとの姿を、美しい列車の風景を織りこみ…

ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~

静かにあたためてきた想い。無骨な青年店員の告白は美しき女店主との関係に波紋を投じる。 物思いに耽ることが増えた彼女はついにこう言うのであった。必ず答えは出す、ただ今は待ってほしいと。 ぎこちない二人を結びつけたのは、またしても古書だった。い…

とっぴんぱらりの風太郎

天下は豊臣から徳川へ―。重なりあった不運の末に、あえなく伊賀を追い出され、京(みやこ)でぼんくらな日々を送る“ニート忍者”風太郎。その人生は、1個のひょうたんとの出会いを経て、奇妙な方向へ転がっていく。やがて迫る、ふたたびの戦乱の気配。だましだ…

ターミナルタウン

「影」を失った男。闇を浴びて育つ「隧道」。見えないけれど「ある」ことにされているタワー。五百人以上を乗せて、姿を消した「下り451列車」。町興しを手掛ける「接続会社」の思惑。様々な問題を抱え込んだまま、静原町に大きなうねりがやってくる。 …