友達を見つけるマッチングアプリのその後(実際に会ってみた)
例の如く、体調不良や入院・手術もあったので(手術から1週間たちますが、少量の出血が続いている状態です)、少しほったらかしになっていたマッチングアプリ。
3月に登録をして長文メッセージのやりとりなどを続けてきた人達はやっぱりそのまま終わりました・・。
一番悲しかったのは、山行きましょうと誘われてこの山はどうですか?と返信した途端に終わったことでしょうか。
2ヶ月ほど続けてみて、会ってみたいとこちらが匂わせても反応が鈍い人とはメッセージも終わるし、会うということにはならんということでしょうか。
結局20数人とマッチングしては終わって(特に音楽好き・ライブ好きの人は数回やりとりして合わないと思われるのかすぐ終わるパターンが多いです)、それでも数人の方とはやりとりが続いていたのですが、先日そのうちの1人の方と、以前から某体験をしてみたいと思っていた、というので話が盛り上がり、お会いすることに。
雰囲気が私の従妹に似ていて、話しやすいし初対面で緊張する私に話題をふってきてくださる方で凄く良い方でした・・・!(そして体験がめちゃ面白かった)
当日まで連絡先はアプリでやりとりだったので心配でしたが、LINEも交換して次回また〇〇に行きましょうーという感じでその日は解散。
しかし2回目が続かなくて悩ましいです。
元々連絡が頻繁ではなかったのでこれが普通なのかもと思いつつ、自分から誘えないチキンです・・・。
会った時はまだ手術前で本調子ではなかったのもあるけど、今は復活したので甘いものを食べに行ったりしたいわ・・・。
そしてもう1人の方は、登山好きということでマッチングした方。
頻繁にやりとりを下さる方で、LINE交換しませんか?と言ってきてくれ、毎日やりとりをしています。
初回はお茶をしてきたのですが、私が緊張しすぎて・・凄く気が利く方で話題を振ってくれたり、凄い優しい方でした・・・!
今度は山やアフタヌーンティーなどに行きたいと話をしていますが、今後も続いていけばいいなあ・・。
あとは、住んでいるエリアが違うものの、柔らかい雰囲気で私の癒し系の山好きの方とも細々と続いていて、今度都内に来るかもなので会いませんか?という話になっています。
初対面でもメッセージでやりとりしてきたということもあって、全く話題がないってことにはならないのが自分には向いているかも・・・
ただこれから関係を長く続けていけるかどうかは自分次第ですね。
趣味は沢山あるのだけど、なかなか本好き、ライブ好きの人とはマッチングできないものですね。
誰かサカナが出る日にラブシャに行ってくれる人はいないものか・・・
まさかの着床、からの流産手術
40歳にして人生初の妊娠、流産、入院(手術・点滴)を経験した。
保険診療4回目の移植。
4月末にこれが最後かな、と思い挑戦。
まあ今回もダメだろうと思いながら、ゴールデンウイーク最終日に検査結果を聞くと・・
「着床してますね」
まさかの結果に嬉しいよりも本当に?!という感情。
そういえばずっと生理前の症状かと思っていたけれど、寝るときにお腹があまりに痛くて眠れない日々が続いていたんだった。
子宮が収縮しているってことだったのね・・!
これで保険診療の治療は終わりなので、次回より自費診療になります、と言われてまさかとふわふわした気持ちに。
その次に出産予定日(1月)を伝えられ、産科への転院、役所への手続き(母子手帳をもらう)などの話もされ、ついに妊娠なのかとじわじわと実感が湧いてきた。
7週目で胎児の心拍確認、順調にいけば8週で卒院の流れに・・という話もされていて、夫ともこれからの生活のこととか、出生前診断のこととか、仕事の産休のこととか・・具体的に色々変わっていくかもしれない生活について考え始めた。
しかし
7週目。
「胎嚢は大きくなっているんですが、うーん中身が空ですね」
え?
「次回また診察して(8週目)変わらなければ、流産の判断になります」
何それ?
自然流産の可能性はあると思っていた。
けれど、こんな形の流産があるなんて知らなかった・・・
しかも7~8週目にかけて、吐き気などのつわりや食の好みの変化(甘いものが全く食べたくない、朝に米が食べられない、歯磨きの時の吐き気、気持ち悪さ)が起こっており、生理は勿論止まっていて基礎体温もずっと高い・・・
体は妊娠状態なのに、肝心の胎児がお腹にいないなんてことがあるなんて・・
そして8週目の再診でも状態は変わらず、「稽留流産」の判断、流産手術をすることになった。
つわりは相変わらず続いており、何なのこの意味がないつわりは・・・とえずきながら、別の病院で手術をすることに決まったのだった。
子宮口を広げる前処置は不要、朝入院して午前中手術、夕方退院の日帰り入院の予定が決まり・・・
昨日が入院・手術日。
初の点滴、麻酔・・・手術自体は麻酔も効いているし全く痛みはなかったものの、終わった後の生理痛の超痛い時のような腹痛が延々と続き、麻酔の副作用でくらくら、吐き気が酷過ぎて・・・結局日帰り入院は無理で1泊に。
麻酔がこんなに辛いとは知らなかった・・・
立ち上がった瞬間に吐き気、嘔吐、麻酔前の絶食で超空腹なのに食べられないので完全に水分の嘔吐・・・そこから食欲もなくてご飯が全く食べられず。
水分を沢山取って、麻酔を排出することで大分症状が楽になるというので、ひたすら水を飲み、トイレに行き・・・を繰り返し、本日何とか食べることができるまでに回復。
午前中に無事退院したのだった・・
次は1ヶ月後に、摘出した胎嚢を検査した結果とか子宮の状態を確認する検診があるとのこと。
1か月後くらいには生理がくるそうだけど、もしまた不妊治療を再開する場合は、3回目の生理がきたら・・・と言われている。
最後にいっそ全く可能性がなかったら諦めがついたのか?
一時でも妊娠、つわりを経験し、出産予定日まで言われてしまったことで、自分に子供がもしできたら・・・の可能性を想像してしまっただけに辛い。
これで終わりでいいのか。
でもまた同じようなことになったら?
流産手術の精神的、体力的ダメージよ・・・
答えはまだ出ない。
友達を見つけるマッチングアプリのその後(現在進行形)
あ、これはメンタル弱い人はあかんやつや・・・!
友達作りのマッチングアプリを始めてからの現在。
始めてすぐに毎日やりとりしていた人から、少しずつ返信が遅くなり、一週間前に返信をしたら返ってこなくなりました・・・
この方は趣味での共通点は全然ないので話が続くかしらと心配していた方だったのですが、感じの良い方で仕事のこと、ラジオのこと、色々やりとりをしていていい感じ(だと勝手に思っていた)だったのですが・・・終わりました。
多分もう来ないと思います・・・
何か失礼な発言とか、自分では気づかないうちに相手の方に不快に思われるようなことをメールしてしまったのかもと思うと、自分が送ったメールを二度と読み返せない。。
割とちゃんと返信したのに一言で終わる&話を続ける気ないだろ?という返信が来たらこちらから連絡を辞めたりしますが、マッチして一報しても既読にもならないどころか一度も連絡がこない人も結構な頻度でいます。
それはもう仕方ないことだとあきらめがつくのですが、この返信が途絶えた方々(既に結構いる・・・)は、長文のやりとりで少しずつ人となりが分かってきたり、自分が知らない分野の世界を教えていただいたり・・・やりとりが楽しいなあと思って続けてきた人から連絡が来なくなるのが思いの外、精神的打撃を受けますね。。
年下で自分と性格がかなり似ていて共感しすぎる!と思った方と長文のやりとりをしていたのですが、毎日来ていたのが来なくなって、今数日経っている状態。
多分もう来ないかもしれないと思うと切ない。。
自分からはアプローチしてもマッチしないので、ひたすら受け身ですが、短文でちょこちょこやりとりをしている人との方が今は続いているかも・・
ただ、山登りしますという人が意外とまだ全然始めたばかりの方であったり、慣れた人に自分だけではいけない山に連れて行ってもらいたい・・という願望はまだ叶いそうにありません。
でも始めたばかりの人の方が興味を持っているから一緒に山に誘ったら来てくれるんじゃない?という夫の言葉に「確かにな!」と思ったのも事実。
そういえばラジオの話でPodcastを教えてくれた方がいて、豊島ミホさんがやっているのを知って早速聴いています。
豊島さんの落ち着いた低めの声は自分的に大変聞きやすいし、こんな形で近況を聞けることが嬉しい。
知らない世界を知れるという意味ではオススメかもです。
返信が早くないと嫌とか、1日1回は絶対欲しい!とか自分都合で考えてしまう人や、いきなり連絡が途絶えた時のダメージが辛いという人にはきついかもですが、結局は男女の出会い系アプリと根本は一緒なので、期待しすぎず、いつか気の合う友達に出会えるかも・・・くらいの気持ちで続けるのがいいのかもしれません。
まだまだ会う会わないの話は具体的には出ていませんが、また進展があればこちらで報告するかもです。
マッチングアプリを始めてみた。
え、あなた既婚者ですよね?
という突っ込みが聞こえてきそうですが・・・
今回の話題は、男性との出会いのアプリではなく、女性同士の友達を見つけるというマッチングアプリのことです。
引っ越し、結婚、妊娠、出産、子育て・・・仕事している人、していない人、子供がいるいないで女性というのはどんどん変化していきますよね。
そのことで今まで仲が良かったはずの友達とも疎遠になったり・・・、気づけば子なしの人とやりとりすることが多いような・・・
でも独身の友達からは距離を置かれていて疎遠になった友達も多い・・
いや、もう友達とすら呼べないのかもしれない。。
連絡をしてもスタンプのみ、最早既読スルーされるともう怖くて、私はそれ以上進めなくなります。
嫌われているのか、と悲しい気持ちになるくらいなら、1人行動の方がどんなに気楽か・・・ということで夫が付き合ってくれないときはほぼ1人行動の日々。
1人外食が苦手なので行きたいお店にも行けないし、たまには誰かと出かけたい・・と切実に願うようになるこの頃。
何かないか。こんな飲み会・初対面の会話苦手、コミュニケーション取れない、1対1じゃないと緊張する・・私みたいなやつでも友達ができるような何かが・・・
と色々と探していた結果、友達を探すマッチングアプリというものを発見!
これならまずは文章でやりとりができるし、1人1人とやりとりしながら仲良くなっていけるのは自分向きかも?
婚活中、マッチングアプリで迷走していたことがあったし、嫌な思い出もあったりするので正直怪しいかも・・と思いながら、物は試しで「Touch」というアプリに先日登録してみました。
一応本人確認もするし、顔写真は必須ではないのと、今のところ無料なのと、自分の趣味嗜好を登録することもできるので、悪くない感じ。
今のところ、自分からいいね!した人とは全然マッチしていませんが、数人メッセージのやりとりをしている方もできました。
ユーザーさんは、メンタルに不調がある方、ネットビジネスの勧誘等も多い印象。
あと、マッチして連絡しても来ない人もたまにいるのは男性との出会いのアプリと一緒か。
やりとりしている方と会うところまではまだ全然行っていないので、会った後に勧誘されたらそれこそ人間不信になりそうだけど、今のところは普通のやりとりが続いております。
使ってみての感想としては、登録始めたばかりの人同士だと比較的普通にやりとりできるかもしれないです。
プロフィールにこういう人は嫌だということばかり書かれている方とか、友達探しのアプリなのにもりもりの写真を載せている方とかとは合わなそうですが、今やりとりしている方々と長く繋がれたらいいなあ・・
圧倒的にユーザー数がまだまだ少ない感じなので、友達を作るためのアプリがもっともっと増えたらいいなあと思うこの頃です。
2024年 読書リスト ※随時更新
2023年は57冊でした。
ようやく本を読む時間も取れてきたものの、相変わらず少なめですね。
2022年よりは少し増えたけれども。
今年もマイペースで読書をしていくと思います。
感想は随時更新していきますのでよろしくお願いします。
■たおやかに輪をえがいて/窪美澄
家族のためを思い、家事とパートをこなし平穏な日常を送っていた絵里子。
偶然夫の風俗通いが明らかになったことから、これまで家族のためを思って生活をしてきたことがガラガラと崩れていく。
更に一人娘の付き合っている相手も不穏な人物で・・・
子どもを持つ50代の女性が主人公なのだが、例えば夫の不貞(と言っていいのか微妙なラインだけど)を知った瞬間に夫に問い詰めたり、怒るなり泣いたりできる人ならばこんなに深刻にならないと思うのだけど、感情をあまり出すことをしないまま生きてきた主人公は、誰にも相談できず、夫と問いただすこともできず、ただただぐじぐじ悩むので最初の頃はちょっと読んでいてげんなりするところもあり。
浮気している訳でもないし、それくらい許せばいいのに、と思う人もいるレベルのことかもしれないけど、では自分の夫がもし同じ立場だったら・・と考えると何とも言えないので微妙なところ。
絵里子にとって良かったことに、自分らしい生き方を求めて変わった友人が傍にいて、年下の同性の恋人との関係も良い。
少しずつ自分の生き方を見つめ直し、前向きに変化していく後半は嫌いじゃなかった。
(3.5点)
■スモールワールズ/一穂ミチ
単行本を読んで全部好み!とすっかりはまってしまった一穂さん。
文庫化したことをチェックしておらず、慌ててオークションで購入したもの。
読んでから間もないので結構内容を覚えていたものの、再読してもやはり面白い。
文庫版の解説は辻村深月さん、書下ろしの掌編も収録されているので必読。
これはまた再読したい一冊。やっぱり好きだわー。
(5点)
■世界のすべてのさよなら/白岩玄
久しぶりの白岩さん。
この方の世界観というか文章というか。好みですねやはり。
大学時代からの友人4人組のそれぞれの語りで紡がれる物語。
ちょっとしたことがきっかけで距離ができてしまった同居相手、何が原因だったのか、その相手視点のストーリーもあるので掘り下げて理解できる。
本人が思う自分と、周りに思われている自分というものが全然違うのが面白い。
劇的な出来事や事件は起こらない。でも、日常はこんなものだと思うのよね。
カメレオンの絵、実際に見てみたいなあ。
(4点)
■BAR追分/伊吹有喜
伊吹さんにしてはプロローグからちょっと苦戦した作品。
文庫で薄いのですらすら読めると思っていたのでちょっと意外だった。
でも、登場する食べ物がおいしそうでおいしそうで。
いつの間にか食べ物に絡んだ一つ一つの物語に入りこんでいた。
図書館で借りたのだけれど、他に2冊出ていたので続きも読んでみようと思う。
無性にカレーが食べたくなること間違いなし。
(3.5点)
■川のほとりに立つ者は/寺地はるな
初めて読む作家さん。
本屋大賞ノミネート作ということと、読書メーターのランキングにもあったので借りてみたもの。
初めてなのでどういう作家さんなのか(受賞歴とかでどういう系なのかある程度想像できるが)、下調べなく読んだのでより楽しめた気がする。
文章の感じは優しく、青春小説を読んでいるような読みやすさがある。
けれど、展開はなかなか不穏。
コロナ禍やら色々な事情で距離ができていた恋人が、何か事件に巻き込まれたのかはたまた当事者なのか分からないが、事故で意識が戻らず入院中という知らせが入る。
こういう人間だと思っていた、そんな恋人像が、恋人の親や周囲の人間の話から全然違う部分が見えてきて、揺らぎだす。
残された日記のようなメモの断片、周囲の話から全容が見えてくる・・・
その真相に迫る感じはミステリ感もあって好み。
また、天音さんの不穏さ、いっちゃんの真っすぐさが伝わっているのか利用されているのか・・「こういう人間」と人に対して決めつけることの怖さが見えたような、鋭いものでえぐられるような気持ちにもなり、好みだった。
他の作品もぜひ読んでみたいと思う。
(4.5点)
■とにもかくにもごはん/小野寺史宜
「ひと」の小野寺さん。久しぶりに読む。
子ども食堂は、町内の掲示板でお知らせが貼ってあるのを見たことがあるけれど、実際どういう仕組みなのか、どういう人が利用しているのかなどはよく分かっていなかった。
貧困のため、満足にご飯を食べられない生活を送っている子供たちは、今の世の中意外にも多いことに驚く。
私の家も父親のせいもあってかなり貧乏な子供時代を過ごしていたけれど、米だけはあったことで、母親が何とかやりくりをしてくれていたこともあり、食に対して貧しい思いをした記憶はない。
けれど、子供は親を選べない。
子どもから見たら若くてきれいな自慢の母でも大人から見たら、いかにも水商売で働いていると思う雰囲気を隠せない。
子どもの目線、気持ちが子供を語り手にした章で見えるので、大人目線に変わった時とのギャップが何とも切ない。
ラスト、子ども食堂をやろうと決めたきっかけになった男の子と、意外な形で再会する。
そこがご都合主義展開と思うか、素直に感動するか。
私は素直に感動して、目頭が熱くなった。
(3.5点)
■汝、星野ごとく/凪良ゆう
2023年本屋大賞受賞作、ということで大分長いこと予約待ちしていたもの。
しかし続編ももう出ているようで、そちらも予約がすごいことに。そちらはいつ読めるのやら。
美しい瀬戸内の島の風景、澄んだ深い色の海、決して恵まれているとは言えない家族を持ち、親に翻弄される子供、青春時代の淡い恋と大人になるにつれやってくる厳し現実・・・
実写化したら映えるだろうなと感じる要素が満載。
自分も父親のせいで苦労してきたこともあり、親のせいで自分が進みたい道を諦め、選択肢がない人生を読んでいるのは辛い。
親を捨てて島から出てやりたいことをやればいいのに、と思うのに親を見捨てることができない気持ちも痛いほどわかる。
恋愛小説というには重くて、青春小説のような甘酸っぱさとも違う不思議な読後感。
強く引き付けられるそんな物語だった。
(4点)
■ザリガニの鳴くところ/ディーリア・オーエンズ
アンミカがこの映画を紹介しているCMを見て、凄いタイトルだな・・なぜザリガニ?と思って気になっていたもの。
外国文学は結局は翻訳者の力にもよるが、手をだすのは敷居が高かったりする。
けれどその不思議なタイトルに惹かれて読んでみたのだが、心配は杞憂に終わって面白かった。
こちらも親のせいで不遇な少女時代を過ごすカイアが主人公。
母が去り、兄姉が去り、最後には父親もカイアを捨てて出て行ってしまうなか、湿地の小屋で一人で生きるために様々な知恵を絞り、生きていくカイア。
そんな孤独な少女を支える人物たちもいるのだが、どうしようもない男に惹かれてしまう思春期・・・
少女の心と体の成長物語でもあり、湿地に住む生き物たちのなんと生き生きとしたこと!
根底は青年の遺体が発見され、「湿地の少女」であるカイアに疑いの目が向けられ、犯人は一体誰なのか?というミステリ小説なのかもしれないが、ミステリと一言で片づけてしまうにはあまりにも勿体ない壮大なストーリーでもある。
最後に明らかになる真実にじわじわと驚きながら、カイアの生きざまに心打たれた。
分厚い小説だったが、最後まで飽きさせなかった。
(4.5点)
■夏日狂想/窪美澄
実在の文豪たちの名がやたら出てくるなあと思ったら、やはり実在の作家たちをモデルにした話らしい。
大正から昭和、激動の時代を生き抜いた女性の話、と言ったら違うか。
才能あふれる二人の男に惹かれ、離れ、翻弄され・・器量よしの女優を目指す主人公の前半のストーリーは全然共感できず。。
女優を目指してた割には結構あっさり諦めて男なしでは生きられないみたいな状況になったり、そこまでその男に執着する理由がなんだか分からなかった。。
他の人たちの感想は結構好意的だったので、自分には合わなかっただけなんだろうが、好みではなかった。読むのにとても時間がかかってしまった。
(3点)
■これは経費で落ちません!11 ~経理部の森若さん~/青木祐子
このシリーズもついに11巻目に突入。
太陽からプロポーズを受けたその後の話で、一冊丸々結婚に関する諸手続き(親への挨拶、入籍予定日の決定、職場への報告、どちらの苗字に変更するか、友人への紹介などなど・・・)についてを時に現実的に、時に笑いを交えながら、沙名子と太陽ならではのエピソードが満載で面白く、一気読みしてしまった。
結婚を決めた時、私たちの場合も親への挨拶、入籍日はいつにするか、結婚指輪はどうするか、結婚式はいつするのか、諸々先のスケジュールをおおまかに決めて、それに向かって進んでいったのを思い出した。
沙名子の苗字にするのか、太陽の苗字にするのか問題で沙名子が納得できる理由を言ってと問われた太陽が答えられなかったように、超絶面倒くさい手続きを妻になる人にはやらせているのに、男側の苗字にするのが当然と思っている男性陣の考えに、これを読んで今更ながらはっとしてしまった。夫の姓になるのが当たり前でそれを疑ったこともなかったけれど、確かにこれが時代ってやつなのね。
結婚報告によって天天コーポレーション内に激震が走り、特にまゆちゃんがなんで太陽!と憤るところが可愛かった。そして結構本気で沙名子を好きだったっぽい鎌本が相変わらず怖い・・・
営業部と経理部という相反する部署にいる二人が夫婦に。どちらかが辞めない限り、異動になったりもしそうで今後そのあたりも気になるな。
(4.5点)
■追憶の烏(文庫版) -八咫烏シリーズー/阿部智里
初めて読んだ時のあの衝撃は、文庫版で再読しても失われていなかった。
最初の雪哉と紫苑の宮の幸せな時間・・・からのラスト。
第二シリーズで別人のように変わってしまった雪哉に何があったのか、が描かれていて、どうしてこうなってしまったのか・・・と思わずにはいられない。
全てが上手くいっているように見えていたのは読者も一緒だったのかもしれない。
衝撃展開の第二部、新作も早く読みたい(予約待ち)。
ついにアニメ化!こちらも楽しみ。
(4.5点)
■流浪の月/凪良ゆう
映画でタイトルだけは聞いたことがあったけれど、あの「汝、星のごとく」の凪良さんの作品とは知らなかった。
本屋大賞受賞作は外れがないけれど、ぐいぐい惹きつけられる。
「小児性愛者」の文と、両親がいなくなり親戚の家で暮らすことになった更紗。
ひょんなことで出会った二人はほんの少しの時間を一緒に暮らすようになるが世間は放っておかなかった・・・
文が大人の女性を愛せない人という認識でストーリーが展開していくのだけど、何か事情がありそうという匂わせがずっとあって、でも全く想定していない真実が明らかになってまずそこで驚かされ・・
汝、星のごとくでも普通の家庭で育っていない主人公たちが親から逃れられず苦しい人生をその後も送っていたけれど、文も母親の呪縛から逃れられなかったからこそ、誰にも相談できず、この事件が起こってしまった・・・
もし周りの大人に相談できていたらきっと起こらなかった事件。でも、そうしたら更紗と文は出会っていない・・・
更紗にとって文が唯一自分を救いだしてくれた大切な人であるように、文にとっても更紗は特別な存在であるということが分かって、それが何よりの救いだった。
二人が一緒であればきっと大丈夫、そう思えるラストだった。
(4.5点)
■嫌いなら呼ぶなよ/綿矢りさ
綿矢さん、相変わらずぶっとんでいて最高。
奇人変人の主人公のオンパレードなのに、どこか痛快ですらある不思議。
ラストの書下ろし作品は綿矢さん本人が登場する話だけど、これは一部実話なのか、創作なのか?
(4点)
■殺戮の狂詩曲/中山七里
中山さんは筆が本当に早いので、常にチェックしていないと新刊情報を見逃してしまう。
御子柴シリーズで新しいのが出ていたのは未チェックで、図書館で見つけて慌てて借りた。
障がい者施設での大量殺人事件・・実際にあった事件を彷彿とする衝撃の事件から始まり、死刑確実の国選弁護人となった御子柴。
いくらあの御子柴でも死刑判決を覆すことはできないだろうに、なぜこの犯人の弁護を担当しようとしたのか・・・
謎は深まる中、当然の如く判決は・・・
ラストに御子柴が弁護を引き受けた理由が明かされるのだが、このシリーズも結構長いのでこんな人いたっけ・・となってしまったのだけが残念(完全に自分が忘れているせい)。
好きなシリーズなのでいつもより後味悪くない終わり方だったのも少し呆気なかったかな。安定の面白さだけれども。
(4点)
■ツミデミック/一穂ミチ
一穂さん、やっぱり好き!!ってなった一冊。
不穏で、後味の悪い系の短編が続き、もしかして今回は一冊そういう系の話なのかしら(これはこれで好みだけど)と思いながら読み進めていくと、不穏な序盤からのラストであっと驚きつつ気持ちも上向きになる話もあって、今回も大変満足して読了した。
前編を通してコロナ禍が描かれていて、コロナによって生活が一変してしまった人の話や、パンデミックが広まって未曾有の危機に瀕したことにより一気に広まったサービスを絡めた話であったり、緊急事態宣言、まん防、時短営業、マスク警察、医療従事者への感謝の表現のあれこれ、感染者数十人でも騒いでいた最初の頃のことなど一種異様ですらあったあの当時の事も色々思い起こさせる。
(4.5点)
■世界でいちばん透きとおった物語/杉井光
紙の本でなければできない壮大な仕掛け。
本のうたい文句に期待が高まりすぎて、実際読んだら「ん?」となった本。
確かにその意味が分かった時には凄いと思ったものの・・・肝心の物語の内容自体がダラダラする展開と感じて、好みではなかったかな。。
(3点)
■深い穴に落ちてしまった/イバン・レピラ
アプリで知り合った方が読んでいるというので借りてみた本。
これは読解力が必要なやつ!
様々な暗喩が含まれているとのことだったのだが、残念ながら気づけず。
個人的に日本語訳のせいなのか、元からこういう感じなのか分からないけれど薄い本ながらちょっと読むのに時間がかかった難解な本であった。
(3.5点)
■小説8050/林真理子
本の話をたまにする親戚の方がオススメしてくれた本。
タイトルから、80代の親と50代の引きこもりの子どもの話なのかな、と想像していたらそんな単純な話ではなかった。
いじめをきっかけに引きこもりになった20代の息子、そんな過去のいじめっこたちを訴え、裁判を起こすという突拍子もない展開・・・
そんなことが可能なのか、熱血弁護士の登場で引きこもりの息子が変わっていく。
社会派なテーマでもあり、家族の再生の物語でもあり、非常に好みだった。
分厚い本ながらぐいぐい惹きこまれた。
(4.5点)
■アンと幸福/坂木司
「和菓子のアン」シリーズ最新刊!
相変わらず表紙のみかん大福が美味しそう・・・
いつもに比べてあまり入りこめなかったりしたものの、ずっとアルバイト生活を続けていくかのように思えたアンちゃんが社員への道を選択し、どんどん成長していく姿が嬉しい。
そして、登場する和菓子たちの美味しそうなことよ。
これからも続いてほしいシリーズ。
(4点)
■契り橋 あきない世傳 金と銀 特別巻(上)/高田郁
終わってしまい悲しい気持ちだったこのシリーズ。
特別巻で上下が出たよー
惣ぼんが失踪してから江戸での生活に至るまでの話が興味深い。
裏でこんなことがあって、幸たちとの再会に至ったのね・・・!と惣ぼんがどう思ってどう生きてきたかが分かったのが良かった。
佐助の話もぐっときたなあ。
そして、とうとう賢輔と幸の話にも進展が・・・!
これは下巻も早く読みたい。
涙腺緩みっぱなしの相変わらずの感動の一冊だった。
(5点)
■きょうの日はさようなら/一穂ミチ
図書館の児童書コーナーで見つけた一穂さんの本。
とんでもない設定ながら、こういうこともあるのかもと思うような自然に読めるこの幹事は一穂さんならでは。
青春のひと夏の思い出、不思議な出会いと別れ・・
マリオやストファーと思われる昔のゲームの描写が出てくるんだけど、ラストシーンでちょっとうるっときてしまった。
こういう話も好き。
(4点)
■レモンと殺人鬼/くわがきあゆ
また本の帯や大げさな煽り文句に期待が高まりすぎたパターン。
どんでん返しにつぐ、どんでん返し。
多分もっと文章力がある作家さんだったら単純にそのどんでん返しを楽しめたのでは?と思うのだが・・・
ただただ暗い設定、登場人物たちが皆怪しい、犯人かと思わせての違う、いやこいつか・・!いやこいつだったー!という怒涛のどんでん返しが、どうも話についていけなくてしっくりこないまま終わってしまった。
期待しすぎてうーんというパターンは多いが、自分の好みではなかった。。
(3.5点)
■八月の御所グラウンド/万城目学
マキメ氏の直木賞受賞作、ということで多分いつもの突拍子もないマキメワールドは封印している感じかな、と思いつつ、やっぱり普通の話とも違って、おかしみのある文章は健在。
感動系ながら過去に思いを馳せたりして。
表題作ともう1つの作品が収録されている形で、本自体も厚くないので物足りなさも感じつつも、京都を舞台にしていること、「三条木屋町べろべろばあ」に「ホルモーだ!!」と敏感に反応してしまう初期作品好きの私なのだった。
(4点)
会社の忘年会に行きたくない問題
12月で今の会社に入って2年になる。
今の会社に入って一番驚いたことが、私語が一切ないということ。
前の会社も仕事中は静かに黙々とこなす社風だったのだが、それでも休憩中やちょっとした小休止に雑談することはあった。
しかし、今の会社は一切雑談がないのである。
皆一体どこでコミュニケーションを取っているのかしら・・と思うのだが、会社としても年に一度の忘年会くらいしか飲み会はない。
飲み会大嫌いな私としてはとてもいいことなのだけれども、他の社員との交流を深めるきっかけとして、やはり歓迎会や忘年会は行った方がいいよね・・と思って参加したのだが――
去年の忘年会。
完全に女子、男子で席が分かれてしまっていたことと、〇テーブルなので完全に独立してしまっていることもたたり、席を交換したりもできない配席。
皆微妙に気まずい雰囲気を醸し出しながら、当たり障りのない会話が続く・・・という超気まずい3時間超で、酒でテンションが上がる一部の男性陣、女性陣を除き、正直皆早く終わってほしいと思っているんだろうなあ・・・ということが分かる微妙な忘年会だった。
元々社員数は少ない会社だが、欠席者は1人のみ、ほぼ全員参加の忘年会。欠席するのも目立つしなあ。。
特に普段喋らない人と打ち解けるきっかけになるような会話もなく、こんな飲み会も珍しいなあと思った次第なのだが、歓迎会ですらも歓迎される側だったにも関わらず、後半ほぼ輪に入れない感満載の超気まずい歓迎会だったので、今の会社はこういう感じなのかもしれない。
そんなこともあり、先日忘年会のお知らせのメールが届いた瞬間から、一気にテンションが下がるほどの気の重さに見舞われた。
こんなに飲み会が嫌すぎて気が重くなる人っているのかな。私だけか・・・
前回は11月末と早めの開催だったのだが、今回はクリスマス前の年末開催。
これから1ヶ月ずっと気が重い気分のまま過ごしていかなければならないのか、飲み会の後のあの死にたくなるレベルの落ち込みを考えたら、「会社 忘年会 行きたくない」「会社 忘年会 断り方」とか検索し始める始末。
そんな検索の中で、行きたくないくらいなら不参加にしてしまえばいい、という最もな答えを見て、それが簡単にできれば苦労しねえ!と思っていたのだけれど、一番良い答えを見つけた。
「嫌われる勇気を持つこと」
空気が読めないと思われたとしても、欠席の連絡をしてその瞬間は気まずくなったとしても、仕事さえきちんとしていれば、意外と問題なく過ごせますよ、というようなことが書いてあり、「今回は参加しないの?」と聞かれても「そうなんです、不参加なんですー!」とテンション高めに返せば後腐れないということが書かれていた。
なるほど!と納得。
毎回嘘をついて欠席と回答すると、同じ理由は使いづらいし、毎回断るときになんて言おうと悩む羽目になる。
ならば毎回参加せず、「あの人は飲み会には来ない人」という立ち位置になれたら万々歳。
それなら空気を読めない人になってしれっと断った方がいいんじゃね?と思い始めた。
そう思ったらもう全然行きたくなくて、「申し訳ありませんが、今回は欠席させていただきます」と理由すら書かず、シンプルに欠席の連絡をした。
すると気持ちがもう本当にすっきりして、最初から断っちゃえばよかったんだ!と思った。
あとは当日皆がいそいそと忘年会に向かう中で、「今日不参加なんですー」とさらっと言えるかどうか、だけですな。
でもなんでこんなに会社の飲み会って気が重いんだろうと思ったら、「(親しく話せる人がいない)会社の飲み会」が一番嫌なんだって思ったわ。
会社の人間関係って、仲が良くなりすぎても色々と面倒だけど、たまには雑談ができるくらいには話せる人がいてくれたら、もっと仕事が頑張れるのになって今の会社に入ってそう思う。
結婚とか出産、子育てとかで環境が変わって、フルタイム勤務の会社員の友達が本当に少なくなった。
だから仕事の愚痴を言ったとしても、私が子育ての苦労を知らないように、分かり合えることはないのだ。
そういった意味でも、特に会社の内部の事情を知っている人と、たまには愚痴ったりとかできたらいいのにね、と思ったこの頃。
酒も大して飲めず、会話を弾ませることもできず(共通の話題があったら勝手に喋りだすのだが)、ただただ気まずい雰囲気を醸し出すことができない自分のコミュ障がコロナ禍を経て更にひどくなったのが一番の原因なんだろうね。。
正欲
朝井リョウ原作の本作。
映画化が決まり、ガッキーが夏月役を演じると聞いた時からとても期待していたのだが、期待通りだった。
原作の、それぞれの人物にスポットをあてて断片的に描かれていくストーリーを踏襲しつつ、例えば夏月が働く田舎によくあるショッピングモールの寝具店は多分イオンモールだろうなあという想像が予想通りであったり、車がないと生活できず、30を過ぎても結婚もせず実家暮らしの独身の肩身の狭さなど、田舎あるあるもさりげなく映像に組み込まれている。
本作は、多様性が叫ばれる昨今、その多様性の中にも入ることができない特殊な性癖を持つが故に、「普通」に組み込まれることは決してない、そんな人物達が登場する。
ガッキー演じる夏月と、同級生で同じ秘密を共有する同士である磯村くんが演じる佳道のラストに近いとあるシーンが涙腺を緩ませる。
原作にもあるが、SEXの擬似体験をしてみたいという夏月に、普通の人はこんなことをしているのかと笑いあいながら、服をきたままで二人は抱き合う。
もう一人のあの頃には戻れないと感じると共に、体は決して重なることはないのに、心が確かに繋がっているのだと強く伝わってきた。
「いなくならないで」
そのセリフは、最後のシーンで夏月が佳道に伝えてほしいと言った一言に繋がり、どうしようもなく心が震えた。
原作だと、佳道も同じことを言っていた、みたいな描写があったかと思うが、映画では稲垣吾郎の表情から悟らないと分からないので、原作未読の人に伝わるかどうかは分からないけれど。
影のある役で可愛さを極力排除したガッキーの抑えた演技は勿論、明日も生きていたいと思う側の人間になれない佳道を演じる磯村くんの演技がかなりしっくりきて、期待していなかったので一番良かったかも。
あと、大也を演じている方、存じ上げなかったのだが、演技がなかなか自然で良かった。
八重子役は、原作だとぽっちゃり男性不信女子なので、せっかくのレーズンバターサンド?の描写もさらっと流れてしまっていたのが残念だが、自分に自信がないおどおどした感じと挙動不審な感じは八重子感があったかな。
(あんまり好みの顔ではないけれど、新人さんのようですね)
稲垣吾郎演じる啓喜の、「普通」を信じて疑わない人間特有の(これが私も含めて世間一般の代表みたいな存在だと思うが)決めつけ、頑なさからくるうざさがいい感じに表現されていたと思う。
本来この啓喜みたいな人が大多数なはずなのに、この映画の世界には「普通」でない人が多すぎて何でこんな固い考えなんだ!もっと広い視野で見てよ!と思わずにはいられないうざさがある意味で新鮮だったかもしれない。
原作でもしあの時〜だったらを思わずにはいられなくなる気持ちは、映画でも健在。
あいつさえいなければ、特にずっと一人で抱えてきた大也の人生は少しはマシなものになっていたかもしれないのに…と思うと辛い。
あと、朝ドラのブギウギにも出演している宇野祥平さんが脇役ながら良い味を出していたので注目してほしい。
(4.5)
映画自体はいくつか映画館でも見ているのだが、感想がずっと書けていなかった。
久々に感想を書きたいと思う映画だったので書いてみた。