両親を喪って兄とふたり、道東の小さな町で暮らす少女。演劇の才能を認められ、周囲の期待を集めるが、彼女の心はふるさとへの愛と、夢への思いの間で揺れ動いていた(表題作)。苦難のなかで真の生き方を追い求める人びとの姿を、美しい列車の風景を織りこみながら描いた珠玉の短編集。
高田郁さんの本です。
高田さんと言えば、時代小説、とりわけ「みをつくし料理帖」シリーズが有名です。
別名義で活動をしていた際の短編集をまとめたものだそうで、初の現代ものになっています。
どの話も、やはり高田さんらしくしっかりと心にしみてきて、切ない気持ちになったり温かい気持ちになったりと良質な作品達でした。
登場人物間のリンクも嬉しいですね。
泣かせる現代劇、森浩美さんが好きな人はまず間違いなく好きだと思います。
(4点)