No-music.No-life

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2017-02-19から1日間の記事一覧

すみなれたからだで

無様に。だけど、私はまだ生きているのだ。焼夷弾が降る戦時下、喧騒に呑まれる八十年代、そして黄昏ゆく、いま。手探りで生きる人々の「生」に寄り添う8つの物語。 窪美澄さんの本です。 アンソロジーで読んだ「朧月夜のスーヴェニア」以外は未読の短編集…

メアリー・スーを殺して 幻夢コレクション

合わせて全七編の夢幻の世界を、安達寛高氏が全作解説。 書下ろしを含む、すべて単行本未収録作品。 夢の異空間へと誘う、異色アンソロジー。 乙一 愛すべき猿の日記 / 山羊座の友人 中田永一 宗像くんと万年筆事件 / メアリー・スーを殺して 山白朝子 トラ…

花咲家の旅

つかの間千草苑を離れ、亡き妻との思い出のある地へと旅立つ祖父の木太郎。黄昏時、波打ち際に佇む彼に囁きかけるものは(「浜辺にて」)。若さ故の迷いから、将来を見失ったりら子が、古い楠の群れに守られた山で、奇妙な運命を辿った親戚と出会う(「鎮守の…

イノセント

やり手経営者と、カソリックの神父。美しい女性に惹き寄せられる、対照的な二人の男。儚さと自堕落さ、過去も未来も引き受けられるのは―。『ナラタージュ』『Red』を経て、島本理生がたどり着いた到達点。あふれる疾走感。 島本理生さんの本です。 今回は違…