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メアリー・スーを殺して 幻夢コレクション

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合わせて全七編の夢幻の世界を、安達寛高氏が全作解説。 書下ろしを含む、すべて単行本未収録作品。
夢の異空間へと誘う、異色アンソロジー

乙一 愛すべき猿の日記 / 山羊座の友人
中田永一 宗像くんと万年筆事件 / メアリー・スーを殺して
山白朝子 トランシーバー / ある印刷物の行方
越前魔太郎 エヴァ・マリー・クロス
 
本名・安達寛高氏の作家名義の作品を一冊に集約するという、前代未聞・ファンにはたまらない贅沢な一冊です。
 
書店で見かけたのはもうずいぶん前の事だけれども、やっと読む事ができました。
 
中田さんの作品は2作ともに既にアンソロジーで読んでいましたが、やっぱり好きですね。
 
個人的に良かったのは、山羊座の友人(乙一)とトランシーバー(山白さん)ですかね。
 
山白さんの作風は黒乙一な感じで、結構グロくて怖い感じなので苦手でしたが、トランシーバーは震災の話が絡んでくるせいもあって、何とも切ない。それでも前を向いていくラストが印象的でした。
 
また、乙一さんのこの山羊座の~は、この主人公の姉の視点でシリーズとして書いているらしく(解説によると)、もし一冊にまとまって発売されるのならばぜひとも読んでみたいです。
乙一さんらしいユーモアと切なさ、驚きが一つに凝縮されている感じで楽しめました。
 
しかし安達さん作家名義ってこんなにあったのかと・・・!
ぜひとも第二弾、第三弾にも期待したいところです。
(4.5点)