稀代の作家たちが催す恐怖と幻想の饗宴! すべてのミステリーファンに贈る、三年に一度刊行される大好評アンソロジーの第三弾。三カ月連続刊行の掉尾を飾るに相応しい当代きっての作家たちが集結。ミステリーとホラー、ジャンルの間を自由自在に越境する才能が、謎の奥に潜む狂気と恐怖を抉り出す。ミステリーファン必携の豪華な一冊!
【収録作品】
隣の四畳半(赤川次郎)
ゲバルトX(飴村行)
ちゃーちゃん(乾ルカ)
おねえちゃん(歌野晶午)
三つ、惚れられ(北村薫)
猫と死の街(倉知淳)
雪を待つ朝(柴田よしき)
十円参り(辻村深月)
引き立て役倶楽部の陰謀(法月綸太郎)
吉原首代売女御免帳(平山夢明)
冬の鬼(道尾秀介)
ろくろ首(柳広司)
身内に不幸がありまして(米澤穂信)
いやいや。
これは面白かった!
辻村深月さんと道尾秀介さん、そして乾ルカさんと歌野晶午さんが収録されているとなれば読まない訳にはいくまい!と図書館で借りてみましたが、好きな作家が集まっていることと私好みの作品が多かったせいかとても楽しく読めました。
は読んだことがあるので馴染み深く、あまり癖のある作家さんもいなかったので(まあミステリの中でもベストに選ばれているだけあるので)、とても読みやすかったです。
で、何より私はノベルス版の上下2段の方がさくさく読めるようになってしまっているらしく(辻村さんで慣らされた)、読みやすかったですねー。
ちなみに、道尾さんと歌野さんの作品は既読でした。
とにかく物足りなかったのが、辻村さんの作品が物凄く短かったこと。
読み終わってぞっとしてしまったくらいインパクトがあるのに、ページ数が少なくて「え!もう終わっちゃうの!?」と楽しみにしていただけに残念です。
作品としてはあの短さで凄い余韻を残してくれましたが。
ラストの真相が明かされた時のドッキリ具合がとても大きかったというか。特に米澤さんには参りました!
ミステリというよりホラー色が強いもの、ミステリの中でも正統派、どんでん返し、日常ミステリ等々・・・多ジャンルを一度に楽しめる極上の一冊。
辻村さんの作品を読むためだけに手を取ったとしても、読む価値ありの一冊です。
ぜひぜひ!