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もう一枝あれかし

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仇討ちに出た男の帰りを騙されているとわかりながら待つ遊女(「風を待つ」)。醜男の武芸の達人と、始めた崇拝した美しい女との皮肉な巡り合わせ(「甚三郎始末記」)。夫に自害された妻の生きる道とは({もう一枝あれかし」)――身分、男の矜持、女の嗜みなどの制約が現代よりも厳しい時代だからこそ際立つ、男女の物語五篇。


あさのあつこさんの本です。
 
時代小説、且つハッピーエンドではない短編集。
少しばかり前向きな終わり方のものもあるけれど、全体的に不幸な終わり方が多くて切ない感じ。
 
男と女の関係というのは複雑で面倒で、それでも人は誰かを求めるのですね・・・
あさのさんの季節を表現する言葉遣いが綺麗で、物語の切なさに拍車をかけます。
(3.5点)