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ソロモンの偽証 第III部 法廷

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この裁判は仕組まれていた!? 最後の証人の登場に呆然となる法廷。驚天動地の完結篇! その証人はおずおずと証言台に立った。瞬間、真夏の法廷は沸騰し、やがて深い沈黙が支配していった。事件を覆う封印が次々と解かれてゆく。告発状の主も、クリスマスの雪道を駆け抜けた謎の少年も、死を賭けたゲームの囚われ人だったのだ。見えざる手がこの裁判を操っていたのだとすれば……。驚愕と感動の評決が、今下る!


宮部みゆきさんの本です。
 
第一部、第二部とそんなに間をおかずに読むことができて、まさか三部もこんなに早く読めるとは思ってもいませんでした。
 
神原の不審な態度、違う学校の生徒、友達とはいえ塾で友達だったという関係の柏木の事件に関わろうとするのだから、きっと何かがあるとは思っていたけれど。。。。
 
最後の最後で実は神原が小悪な人間で・・・と期待(?)していたけれど、まあ神原と柏木の真相は予想の範囲ではありました。
 
しかしこの第三部が一番続きが気になって、仕事が忙しくてなかなか読む時間が取れないもどかしさでイライラするくらい(笑)惹きこまれました。
 
事件の真相はまあ意外性がなかったといえばそうだけど、樹里や大出、柏木の家族や浅井家やその他裁判に関わった生徒も、親も、それがきっかけになって少なくとも出口の見えない道を歩く日々に終わりが見えてきたのではないか?少しでも明るい予兆を感じるラストが見えて、とてもほっとしました。
 
エピローグは特になくても良かったのではないかな?と思うけど、樹里と涼子は案外お互いが遠慮せず言い合える友達になれるんじゃないかという気もしました。
 
分厚い全三巻。
こんな中学生はいないだろ!という突っ込みはする気も起きないほどありえないスーパー中学生ばかりだけど、小説というのは非現実的でも面白いから楽しいのだと思えば気にならない。
 
宮部さんらしく中学生らしい一面を見せるスーパー中学生達の姿が描かれている。
個人的には大満足でした。
(4.5点)