ベストセラー『告白』の著者が放つ、書き下ろし長篇。高２の夏休み前、由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ――「人が死ぬ瞬間を見たい」。由紀は病院へボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホームで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てにむかえた衝撃の結末とは―
湊かなえさんの第二作です。
デビュー作でありベストセラーとなった告白の衝撃の記憶も未だ薄れていませんので、今回もとても期待をして読みました。
読み始めてみてから、半分くらい読んでも、どうしてもこの文体が好きになれないなあと思っていました。告白では、子供だけではなくて大人からの目線もあったので、そんなに違和感や読みにくさは感じなかったんですけど・・
今回は高校生の、今時の女の子２人がそれぞれ語り手となっているせいもあって、今時からは大分遠ざかってしまった自分には、とても読みにくく、そして高校生嫌いの私としては全くもってこの二人の少女に共感も持てず、むしろ読んでいて不快感すら覚え始めたのであります。
しかし、２人の少女の場面や人物が少しずつ繋がっていく展開からようやく惹き込まれて来て、そして最後の湊さん特有のあの後味の悪い終わり方は、やっぱり癖になるなあと・・はい、思いました。
ここまで嫌～な感じで物語を締めくくる事が出来る人も、なかなかいないと思います。
ここまで関係が繋がっていると、どんだけ世界は狭いんじゃい！と突っ込みたくなる気持ちもありますが、それでも後半からラストにかけての流れはぐいぐい引きこまれて読むことが出来ました。
次作にも期待したいと思います。
