新しく赴任した滝昇の指導のもと、めきめきと力をつけ関西大会への出場を決めた北宇治高校吹奏楽部。全国大会を目指し、日々練習に励む部員のもとへ突然、部を辞めた希美が復帰したいとやってくる。しかし副部長のあすかは頑なにその申し出を拒む。昨年、大量の部員が辞めた際にいったい何があったのか…。
武田綾乃さんの「響け！ユーフォニアム」シリーズ第二弾。
やっぱりこの方、凄く上手いなあ。
文章の読みやすさもそうですけど、心理描写が凄く上手い。
学生時代特有の、たった一、二歳程度の歳の差なのに、先輩後輩というだけで見えない壁があって、表面的には仲が良さそうな、上手くやっているように見えていた先輩達の、本当に微妙な表情や仕草など、ピリッと感じる瞬間を切り取るのが上手いなあと思います。
全国大会を目指す吹奏楽部が舞台なんですが、私はどちらかというと、この部員達の心理描写、人間関係の描き方が凄く好きだなあと思いながら今回も読みました。
以前は強かったが今は弱体化していた吹奏楽部が、指導者と全国を目指すという目標と共に心を入れ替えた部員達が、こんな順調に上達していって、全国への道を歩めるものなのかしらん？とそっちに関してはいささか出来すぎ感はあるんですけれども・・・
厳しい練習でも、緑のように楽器を演奏することが楽しいと思いながら部活を楽しんでいる部員とか、先生の的確な指摘で着実に上達をしている部員達であるとか、読んでいて気持ちの良いシーンも多く、羨ましくなりました。
前回はトランペットの麗奈とひと悶着あった優子が一番いい仕事をしていた気がします。思っていたほど悪い奴じゃなかったのもいいです（笑）
それにしても、美人率高過ぎじゃないですか？北宇治高校吹奏楽部よ・・・！
この3美人の中では断トツで麗奈オシですけどね。
（ネタバレあります）
はてさて、無事に全国への切符を手に入れた北宇治高校の活躍を読むために3巻へ。
（4点）
