猛練習も日常となり、雰囲気もかなり仕上がってきた矢先、北宇治高校吹奏楽部に衝撃が走った。副部長で、部の要と言える三年生のあすかが、全国大会を前に部活を辞めるという噂が流れてきたのだ。母親との確執から、受験勉強を理由に退部を迫られているらしい。さらには、楽器に対する複雑な心境をあすかは久美子に打ち明ける。はたして大会の行方は―。
武田綾乃さんの響けユーフォニアムシリーズ第三弾。
全国大会出場が決定し、高揚感と共に部の一体感が高まる中、吹奏楽部の要であるあすかが母親の反対で退部するかもしれない・・・!
顧問が代わり、部員達の士気の高まりと共に演奏技術も全国レベルに届いた宇治北高校吹奏楽部。
しかしあすかが全国を目前に退部の危機が迫り、部員達の演奏にも不安が表れてしまう。
過去の部内のもめごとにも、中立を保ち独立性を貫いてきたあすか。
時に冷酷とも思える程冷めた目線で部内の人間関係を評してきたのは何故なのか。
あすかの生い立ち、母親が部活を反対する理由、そして初めて吐露する本音。
あすかが出られなくなることで代わりにユーフォを担当する事になった先輩の姿。
A部門で全国出場が叶うが、皆が待ち望んでいるのはあすかで。。
相変わらず吹奏楽部自体の描写よりも、人間の内面性を重視した表現がとても上手いしリアリティがあると感じます。
果たして全国大会の結果は?!
とんとん拍子に勝ち進んできたこれまでのシリーズですが、そこは勿論・・・
読んでのお楽しみです。
個人的には久美子と幼馴染の関係が変わったと思われるエピローグの発言がめちゃくちゃ気になるのですが。。
そこはさらっとしか書かれていないので続編で何か書かれている事を期待しましょう。
アニメもかなり評判が高かったようなので、機会があったらぜひ見てみたいです。
思いがけず肉厚な内容のシリーズでした。
(4点)