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山女日記

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こんなはずでなかった結婚。捨て去れない華やいだ過去。拭いきれない姉への劣等感。夫から切り出された別離。いつの間にか心が離れた恋人。……真面目に、正直に、懸命に生きてきた。なのに、なぜ? 誰にも言えない思いを抱え、山を登る彼女たちは、やがて自分なりの小さな光を見いだしていく。


湊かなえさんの本です。

 
湊さんの本は相変わらず図書館の予約が凄い事になっているので、やっと手元にやってきて読んでも毎回うーむという印象しか受けなくて(「告白」以上のインパクトはやはりないというか)、もういいかな・・・と読む事を辞めた作家さんです。
 
しかし本作は、山友達から面白いから読んでみてと薦められて読む事にしました。
 
そして久しぶりの湊さん。。
 
やっぱり私、この人の文章苦手だわ・・・と再確認。
なんだろう、癖があるというか、個人的に読みにくいと感じるのは何故でしょうね。
 
各山の名前がタイトルとなった短編ですが、各章で登場した人物がリンクしていたりするのは面白いです。
 
妙高山火打山槍ヶ岳利尻山・白馬岳・金時山・トンガリロ・カラフェスに行こう
 
が収録されていますが、前半は読んでいても「山に行きたいな」という気持ちが全然湧きあがってこなくて。
これでも一応山ガールの私ですが、山の描写というか、空気感があまり描かれていない印象でした。
 
初心者なのに山小屋泊の必要な遠方の山に普通行く?!と思ってしまったり、自分の場合はどんなに悩んでいても山に登り始めたら全く日常の事を思い出す事もなくなるので、やたら色々考えながら山に行くのね、と否定的に読んでしまったりしました。
 
ただ、後半に行くにつれ、様々な登山体験をしてきて、自分は単独登山が一番向いていると気付いた女性であるとか、初心者はやはり富士山を目指そうと単純に思うんだな、とか。山登りを始めるにつれ、富士山みたいな山ではなく、風景や歩く事そのものを楽しめる山を薦める人が出てきたりとか、山あるある感を楽しめている自分がいました。
 
この中では金時山しか登ったことがないのですが(このコースではない滝からのコースでしたが)、特にトンガリロは行ってみたいなあ!と素直に思えました。
 
しかしですね、最後の「カラフェスに行こう」であるように、こんな簡単に山友が見つかるのはなかなかないぞ!と。
 
私みたいに人見知り、慣れるまで時間がかかる、とっつきにくいオーラを発しているような人には、登山サークル、登山ツアー、友人から誘われて初対面の人達と山に行く・・・等々参加してみても、一向に山友ができませんので(登山歴4年以上になりますが)、こんな上手くいくか!と思ってしまいました。
 
私はやっぱり自分のペースに合った、気の置けない相手と行く登山が一番好きだけど、自分のペースで思い立ったらいける単独も悪くないな、と思っています。
 
色々参加してみて、10人以上の団体で行くのはあまり向いていないし、ペースが狂ったりするのであんまり好きではないですね。。
 
ちなみに山に行きたくなる、個人的なオススメ本はこちら
 
春を背負って/笹本稜平
八月の六日間/北村薫
悩んだ時は山に行け!/鈴木みき
 
何だかんだと言いつつ、今日軽く山登りに行ってしまった私です。
山登りが気になるーと思っている人には湊さんらしからぬイヤミス感は皆無のこんな本も良いのではないでしょうか。
(4点)