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獣の奏者3 探求編

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とどめようもなく過ぎゆく時の流れ。残酷なまでに。
<降臨の野(タハイ・アゼ)>の奇跡から11年。物語は今、さらなる地平へ。

愛する者と結ばれ、母となったエリン。ある村で起きた闘蛇の大量死の原因究明を命じられ、行き当たったのは、かつて母を死に追いやった禁忌の真相だった。夫と息子との未来のため、多くの命を救うため、エリンは歴史に秘められた真実を求めて、過去の大災厄を生き延びた人々が今も住むという遥かな谷を目指すが……。

上橋菜穂子さんの「獣の奏者」シリーズ第3弾。
 
本来であれば2巻でこの物語は終わりのはずで、上橋さん自身も続編を書こうとは思っていなかったのだそうで。
しかし続編とは思えないほどの深い世界観でした。
 
という訳で、11年後のその後の世界。
 
あの気になる存在だったイアルと結婚し、1児の母となったエリン。
しかしイアルの冒頭の語りや息子の傍に母の描写がないことや、何故か物悲しい雰囲気からスタートします。
 
ある意味人質とも言えるような、大切な「家族」を持ったことで、より一層エリンの自由は奪われる形にもなっている皮肉。
終わりの予感に向かって物語は進んで行きます。
 
そんな中で、一人息子であるジェシの真っすぐな心や明るさが一筋の光のように思えました。
 
運命から逃れようとすればするほど翻弄されるエリン。
家族3人で静かに、幸せに暮らす日々はやってくるのだろうか・・・
 
駆け抜けるように読み終えました。
 
4巻へ。
(4.5点)