最近、物忘れがはげしいことを気にしている郁造。息子の嫁から預かった現金を落としてしまったが、どこで落としたのかも覚えていない。ボケ老人のレッテルを貼られることを恐れ、郁造はある行為に踏み切る。果たして、その先に待ち受けていたものは…(表題作「陽だまりの偽り」)。5つの心模様を端正に描いたミステリー短編集。
長岡弘樹さんの本です。
デビュー作だそうです。
長岡さん、やっぱりいいですね。そして短編の中にも伏線と種明かしが含まれていて、楽しめました。
しかも細かい部分に至るまでが伏線になっていて、あれも、これも!と思いながら結末を読めましたしね。
短編ということで、もう終わり?って思ってしまうところもありましたが、嫌な余韻が残るもの、ほっとする爽やかな余韻が残るものなどなど様々でした。
結構長岡さんの本は読んでいるつもりになっていたけれど、この作品も未読だったし、読んでいないものが結構あるのかも。
未読作品も読んでみたいです。
(3.5点)