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七色の毒

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話題作『切り裂きジャックの告白』の犬養隼人刑事が、“色”にまつわる7つの怪事件に挑む連作短編集!人間の奥底に眠る悪意を鮮烈に抉り出した、珠玉のミステリ7編!


中山七里さんの本です。
 
切り裂きジャックの告白」を先に読んでしまい、この作品も犬養刑事が登場すると知り、慌てて予約しました。
 
中山さん、大注目の作家のひとりですが、この方も作品によってがらりと趣向を変えてくる方ですよね。
長編のイメージがとても強く、まず短編集ということに驚きました。
しかし最後は一番最初の章と繋がっていて。
 
各章毎に色をテーマにした作品になっていますが、人間の二面性(表と裏)を浮き彫りにし、少しばかり後味の悪い読後感も癖になりそうです。
そして短いながらもどんでん返しがあるのも楽しいです。
 
個人的に「黒いハト」「緑園の王」「黄色いリボン」「紫の献花」が好き。
 
釣り、園芸、天気、自然の呼び名・・・短編でも中山さんの細部の描写は細かく、引き出しの多さに今回もうならされました。
 
とにかく今回、読みやすすぎて物足りないと思ったほどでした。
二冊犬養刑事の本が出ているということは、シリーズ化しますかね?楽しみです。
(4.5点)