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闘う君の唄を

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新任幼稚園教諭として埼玉県秩父郡神室町の「神室幼稚園」に赴任した喜多嶋凛は、モンスターペアレントたちの要求を果敢に退け、自らの理想とする教育のあり方の実践に務める。当初は、抵抗されるも、徐々にその熱意が伝わり、周囲の信頼も得られていくのだが…。健気なニューヒロイン、誕生!

中山七里さんの本です。
 
先日偶然にも日テレで「さよならドビュッシー」がドラマ化されて放送していましたが(やっぱり主演のあの人の演技力が・・・・)、先日全く楽しめなかった中山作品を読んだ後の本作です。
 
読み終えてほっとしました。
いつもの中山さんだ、と。
 
前半は新任の幼稚園教諭として奮闘する凛の姿、強烈なモンスターペアレントのお母様達の攻防が描かれますが、ちょこちょこと不穏な話題として出てくる過去の幼児殺害事件が後半に繋がっていくとは。
 
幼稚園児との奮闘、母親達から信頼を得るまでのプロセス・・・そういった面でもそれなりに楽しめる展開だったのですが、そこは中山さん。一筋縄では終わりません。
 
刑事の渡瀬が出てきたあたりから一気に物語は不穏な展開へ。
凛の過去が明らかになるにつれ、ちょっと唐突な感じは否めなかったですが、ぐいぐい読ませる力は中山さんならでは。
 
真犯人は予想の通りでしたが、今後の幼稚園の存続が危ぶまれますね。
 
3歳児にしては出来過ぎた子達な気はしますが、幼稚園児ならではの真っすぐさに救われる凛の姿は素敵でした。
(4点)