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正しい女たち

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セックス、結婚、プライド、老い…。

話題にしにく、でも最大の関心事。
その正しい姿をモチーフに描かれた、覗き見したい六つの物語。

「温室の友情」
「海辺の先生」
「偽物のセックス」
「幸福な離婚」
「桃のプライド」
「描かれた若さ」 

千早茜さんの本です。

決してハッピーエンドではなく、むしろちょっと後味が悪いと思うものが多い話。

最初に登場する仲良し女子四人組の話が連作短編になっているのかと思いきや、ちらほら登場しつつ、全部には登場しないというスタイルでした。

女性にとって、仕事を続けることは結婚、出産、妊娠などと無関係ではないわけで。
女性だから、という理由で受ける差別なんかもある。

「正しい」と思う選択をした女性たちの話の中で、一番好きなのは「幸福な離婚」、じわじわと優しい気持ちが沁みてくるのは「海辺の先生」、後味の悪さを感じるのが「偽物のセックス」・・・そのあたりが印象的でしたでしょうか。

離婚を決め、離れる日までの残りの時間を二人で穏やかに過ごそうと決めた夫婦の話は、物悲しいのに心に残る不思議な感覚でした。
(4点)