『dele.LIFE』は依頼人が死んだときに動き出す。託された秘密のデータを削除するのが、この会社の仕事だ。所長の圭司の指示を受け依頼人の死亡確認をする祐太郎は、この世と繋がる一筋の縁を切るような仕事に、いまだ割り切れないものを感じていた。ある日祐太郎の妹・鈴が通っていた大学病院の元教授から依頼が舞い込む。新薬の治験中に死んだ鈴。その真相に2人は近づくが…
本多孝好さんの本です。
ドラマ版「dele」を非常に楽しく見ていたので、ドラマが始まる前に1を、ドラマを見終えてからあまり時間がかかっていないタイミングで原作の2を読めたのは嬉しい。
脳内でドラマ版キャストを思い浮かべながら読めるのでより面白く、ドラマとは少し違う話というのも二度面白かったです。
妹の死の真相を知り、復讐や憎しみを増やすのではなく、死を受け入れられた祐太郎が良かったです。
ドラマには登場しない、祐太郎の留守宅を任される女の子の存在が今回特に沁みたなあ。
個人的に本多さんの描く女の子がすごく好きなのでこういう存在がいてくれることで、祐太郎がどれだけ救われているのだろうか、と思うとしみじみしますね。
圭司の過去が結局深くは掘り下げられていない点に続編を期待してしまうのですが、話としてはここで終わりという感じもあり、複雑です。
ドラマもぜひ続編をお願いしたいなあと淡い期待を抱きつつ。
(4点)