「幼い娘と公園に出かける妻を尾行して、写真を撮ってほしい」―くつろぐ親子の写真を撮ることを趣味にしている大学生の圭司は、ある日偶然出会った男から奇妙な頼み事をされる。バイト感覚で引き受けた圭司だが、いつのまにかファインダーを通して、話したこともない美しい被写体に恋をしている自分に気づく…。
*―*―*―*―*―*―*―*―*
小路幸也さんの本です。
相変わらず読みまくっておりますが、制覇への道は遠いです。
かなり本を出されているのですよね。
かなり本を出されているのですよね。
都内に住んでいる人なら、その風景を思い描きながら、住んでいない人でも何となく公園の雰囲気を感じながらまったり読めるお話でした。
家族写真を撮る事を趣味としている大学生の男の子が、ひょんなことから出会った男から頼まれたのが、晴れの日は常に娘と共に都内の様々な公園に出かける男の妻を、尾行して写真を撮って欲しいという奇妙な依頼だった。
10歳以上も年下の若く美しい妻の浮気を疑っているらしいが―
バイト感覚で引き受けた奇妙な依頼を続けるうちに、いつしか被写体である女性に淡い想いを抱き始めていき・・
*―*―*―*―*―*―*―*
ここで、人妻との恋なんていう陳腐な展開にならないところが、やっぱり小路さんだなあと思うのです。
凄く良いですね。この微妙な距離感。
凄く良いですね。この微妙な距離感。
何よりいいのは、主人公を取り巻く友人達と、義理のお姉さん。
同居人の男の子と、大学の友達の男の子、中学の頃付き合っていたこともある女友達、再婚した母の連れ子である義理のお姉さん。
皆が優しくて、そしてとてもいい味を出しているのです。
ほのぼのとしたラストも、読後感が心地良かったです。