政治家の映るテレビ画面の前で目を充血させ、必死に念を送る兄。山の中で一日中、呼吸だけを感じながら鳥の出現を待つ弟。人々の心をわし掴みにする若き政治家が、日本に選択を迫る時、長い考察の果てに、兄は答えを導き出し、弟の直観と呼応する-
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伊坂幸太郎さんの本です。
地元の図書館に、奇跡的に残っていた一冊。
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魔王って凄いタイトルだなあと思ったのがあったせいか、なかなか興味を持てなかった作品。
でも、読み始めたらすっと物語の世界に引き込まれました。
と様々なものが盛り込まれているので難しいという印象はぬぐえません。
そして、魔王が兄の話、呼吸が弟の潤也の彼女もとい妻である詩織から見た話なのだけど・・
兄の考えすぎる、心配性というか疑い深い性格のせいか、とにかくどんどん破滅に向かっていくような怖さがじりじりと迫ってくる。
結末はハラハラしたのだけど、予想通りの結果で残念でもあります。
ただ、弟と詩織の関係はいいですね。
弟の人柄と詩織の、それこそ「呼吸」がぴったり合う感覚っていうか、微笑ましい。
弟の人柄と詩織の、それこそ「呼吸」がぴったり合う感覚っていうか、微笑ましい。
しかし、続編的に書かれている話の中で、「これはもしや兄が?」とか、「あの人もまさか・・?」と思わせる展開が盛り込まれているのだけれど・・特に詳しく書かれている訳ではないので、結局分からず終い。
いっそ続編を書いてくれても良いのですが。
そんなちょっと物足りないというか、ラストがしっくりこない感じもありましたがでもやっぱり物語には引き込まれるので良しとします。
ってあんた何様だよっていう発言ですね。
ってあんた何様だよっていう発言ですね。