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償いの椅子

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男は戻った。足跡を轍にかえて--。興奮と感動の長編ミステリー。
その夜の銃弾は、友と足を奪った。5年後、男は戻った。やり残した仕事を終えるため、そして自らを慕う幼い姉弟のために。男は黙して車輪を進める。復讐のため、そして愛するものを守ために。

沢木冬吾さんの本です。
 
貸していただいた本で、多分初読みの作家さん。
 
警察もの、もしくは勝手にミステリーものかなと想像していたのですが、
思いがけずハードボイルドな作品でした。
 
ハードボイルドものは垣根涼介さんのイメージが強いですが、何だか久しぶりに読みましたね。主人公・能見が格好良かったですね・・・!
特に後半の戦いのシーン。
 
大事な妹、甥っ子の充と姪っ子の梢を守るため、そして恩師の復讐のために動く主人公は
車椅子の身となりながらもどこまでも強いです。
 
腐れ外道な父親が正直こうなったのは天罰だと思いますが、弟君の行動にはびっくりしたのと
悲しいのと・・・
 
ただ、結末は明るい兆しが見えてきた感じだったのがほっとしましたね。
主人公の安否は分かりませんが、それもまたこの物語には丁度良いかもしれません。
 
(3.5点)