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ヒートアイランド

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渋谷でファイトパーティーを開き、トップにのし上がったストリートギャング雅(みやび)。頭(ヘツド)のアキとカオルは、仲間が持ち帰った大金を見て驚愕する。それはヤクザが経営する非合法カジノから、裏金強奪のプロフェッショナルの男たちが強奪した金だった。少年たちと強奪犯との息詰まる攻防を描いた傑作ミステリー。




垣根涼介さんの本です。

この本の紹介には「ミステリー」と書いてあるけど、ミステリーというよりは・・・ハードボイルド小説だろう。
ミステリの要素はない気がします。

とまあ、そんなことは置いておいて。
垣根さん、やっぱりうまいなあ。

序盤はなかなか物語に入っていけなかったんですけど、中盤からラストにかけての展開がすごいの一言!

ストリートギャングの「雅」と、二つの組、強盗のプロの3者からの視点が、見事!

それぞれの側から物語を描いているから、スリリングでドキドキする。
なのに読みやすい!

この疾走感は見事です。


この本は、以前に読んだサウダージの姉妹編らしいです。

サウダージでは、既にストリートギャングの頭であるアキが、強盗のプロに仲間入りしている状態だったので、出来ればこの本を先に読んだほうがいいです。

この話では、ストリートギャングの頭としてかなりキレの良い若者の印象を受けたアキですが、強盗のプロに仲間入りしたあとは、あくまで下っ端の若手、という印象を受けました。
ある意味で、そっちの方が人間らしい一面を見ることが出来たかな。

続編として、もう一冊もあるそうなので、そちらも読んでみたいと思います。