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パレードの誤算

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念願の市役所に就職がかなった牧野聡美は、生活保護受給者のケアを担当する事になった。 敬遠されがちなケースワーカーのという職務に不安を抱く聡美。先輩の山川は「やりがいのある仕事だ」と励ましてくれた。その山川が受給者たちが住むアパートで撲殺された。受給者からの信頼も篤く、仕事熱心な先輩を誰が、なぜ? 聡美は山川の後を引き継いだが、次々に疑惑が浮上する。山川の知られざる一面が見えてきたとき、新たな惨劇が……。

柚月裕子さんの本です。
 
先日読んだ柚木さんの本がかなりシリアスでやりきれない話だったので、今回はそれに比べるとちょっと軽めだったかなあ。
 
ただやりきれないという話だと今回も同じで・・・
 
受給者の自立に向け、真摯に仕事に携わっている人もいれば、この犯人のような奴もいて・・・
何とも複雑。
 
生活保護受給者というと、不正受給のイメージがどうしてこうも大きくなってしまったのでしょうね。
 
決して悪いことでもなんでもないし、自立に向けて努力している人だってきっと沢山いるというのに。
 
前半はそんな生活保護の実態などに迫りつつ、中盤から急に二時間ドラマ的スピード感溢れる展開になります。
そこがちょっと想像通りだったのはちょっと拍子抜けしたものの、これはこれでハラハラドキドキ感があって嫌いではなかったです。
 
それにしても、悪意のない優しさというかおせっかいが一番タチが悪いって思いましたよ。未央さん・・・。
 
事件の真相に迫るべく行動を共にする機会が増えたことで、小野寺と聡美の仲を邪推というか嫉妬してこういう行動に出ていた、とかならまだ納得できたんですけどね。。。
危うく人が一人殺される所だったんですよ、あなたのせいで、と思ったら何とも・・・でした。
 
小野寺の聡美への恋心的なものは特にその後書かれなかったけど、どうにもならなかったんですかねえ。
 
柚月さんというとシリアスで重めの話のイメージが先行してしまったので、ちょっと物足りなくもありました。
(3.5点)