No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

何が困るかって

イメージ 1
 
 
子供じみた嫉妬から仕掛けられた「いじわるゲーム」の行方。夜更けの酒場で披露される「怖い話」の意外な結末。バスの車内で、静かに熾烈に繰り広げられる「勝負」。あなたの日常を見守る、けなげな「洗面台」の独白。「鍵のかからない部屋」から出たくてたまらない“私”の物語―などなど。日常/非日常の情景を鮮やかに切り取る18篇を収録。

坂木司さんの本です。
 
そうだ、坂木さんって実はこういう本も書く人なんでしたね!
 
「短劇」に続く、ブラックユーモア溢れる(後味悪い系?)ショートショート集。
 
「和菓子のアン」を書いた作家とは思えない!というほどの意外性ですが、さすがの筆力で読ませます。
 
性別のミスリードで「あ!」と思うどんでん返しがあったり、想像するとぞっとする怖さがあったり、少し微笑ましいものもあったり。
ショートショートなのですいすい読める。
それだけに後味悪い作品が続くとちょっと疲れる(笑)
けれども何故か続きを読みたくなったりもして、なんでしょうね。この吸引力。
 
「勝負」と「洗面台」はほっこり系。
 
「怖い話」「ぶつり」「都市伝説」「鍵のかからない部屋」あたりのダークさは語られないその後を想像するとぞっとして怖い。
 
坂木さんの作品はずいぶん読んだ気がするけど、まだ読んでいないものが沢山ある。
図書館で借りられていることが多くてなかなか制覇できないのですが、他にも読んでみたくなりました。
(4点)