僕に近づいてはいけない。 あなたを殺してしまうから。
週刊誌記者のスクープ獲得の手伝いをしている僕、坂木錠也。この仕事を選んだのは、スリルのある環境に身を置いて心拍数を高めることで、“もう一人の僕”にならずにすむからだ。昔、児童養護施設<青光園>でともに育ったひかりさんが教えてくれた。僕のような人間を、サイコパスと言うらしい。
ある日、<青光園>の仲間の“うどん”から電話がかかって来て、平穏な日常が変わり始めた。これまで必死に守ってきた平穏が、壊れてしまう――。
道尾秀介さんの本です。
道尾さんは大好きな作家なので、否応なしに新刊が出てくると期待してしまいます。
元々期待値が高い状態で読み始めるので、ん?と思うこともありますが。
今回は、ん?というより、私の読解力がなさ過ぎてもったいない読み方をしてしまった感がありました。
よく見ると数字の向きがおかしかったり、違和感を覚える表現、点々がついている・・・ヒントはたくさんちりばめられているのに、半分くらい読んでようやく気付く馬鹿な私。
これに気づいていればもっと深く読めたのではと思うと悔しいですね。
ただ結局全体を通してみると伝えたかったテーマというものがいまいち分からなかった作品でもあります。
恵まれない環境で育ってきた錠也だけど、周囲の人物が実は皆めっちゃいい奴らばかりという事実。
それをちゃんと認識したら、錠也の抱える衝動も抑えていけるのではないかと感じましたね。
サイコパスはあまり知識がないのですが・・・
(4点)