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とっぴんぱらりの風太郎 上

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天下は豊臣から徳川へ。度重なる不運の末、あえなく伊賀を追い出され、京でぼんくらな日々を送る“ニート忍者”風太郎。その運命は一個の「ひょうたん」との出会いを経て、大きくうねり始める。時代の波に呑みこまれる風太郎の行く先に漂う、ふたたびの戦乱の気配。めくるめく奇想の忍び絵巻は、大坂の陣へと突入する!

万城目学さんの本です。
 
ハードカバー版が良かったので、文庫化したら買うでしょうと書いていましたが、買いました。
 
あの分厚さ、やはり文庫化に伴って上下巻に分かれましたね。
でもこの分け方は正解。
3分の1までのマキメワールド全開なゆるーい感じから、シリアス展開への後半の切り替えがいい感じで、前回読んだ時よりももっと入りやすく楽しめました。
 
上巻では忍をクビになり、何もせずだらだら毎日を過ごしていた風太郎が、ひょんなことから出会ったひょうたんのおっさんに半ば強引に命令され、動かざるを得なくなっていく。
 
ゆるーい黒弓とのコンビもまさかあのシリアス展開になっていくとは思えないし、なによりひょうたんのおっさんの意味不明さ!(笑)
主人公の風太郎もとにかく楽に生きられればいい、というタイプの人間なので、ひさご様との蹴毬のシーンではやはり今回もじんときてしまい、いつの間にか風太郎に愛着を持ち始めている自分がいました。
(一度読んでいるせいか、冒頭から風太郎が憎めないやつだなあと思いながら読んでいたんですけどね)
 
そしてなんでしょう、以前読んだ時よりもすいすい読め、とにかく続きが気になる!という感じでした。
不穏な気配が漂う中で下巻に続きます。
(4.5点)