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とっぴんぱらりの風太郎 下

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和議成立ののち、平穏な日々が戻ったのも束の間、血なまぐさい因縁が風太郎を追い立てる。やがて訪れる最後の大決戦。燃え盛る大坂城目指し、だましだまされ、斬っては斬られ、忍びたちの命を懸けた死闘が始まる。崩れ落ちる天守閣、無情の別離、託された希望。圧巻のクライマックス。

万城目学さんの本です。
 
もう下巻は一気読みという勢いで読んでました。
ラストを知っている状態で読むと、分かっているからこそのめりこんでしまうものなのですね。
 
蝉、百、常世、黒弓と忍仲間達の想い、そして豊臣家の人々の想いが胸を打ちます。
 
後半はもう絶対死ぬだろと思うくらい傷付いているシリアスな戦いのシーンが続き、読むのが辛くなってくるほど。
ラストが分かっているというのに、やはり芥下と風太郎の未来を想像してしまう。
だってまだ生きている、もしかしたらがあるかも・・・期待して、決して決定的な描写はされていないのだけど、、
 
マキメさんの小説だもの、こんなシリアスなまま終わる訳がない。
そんな期待は裏切られてしまいます。
 
けれども決して後味が悪い訳ではないんです。
温かいラスト、だと思います。
 
だって豊臣の末裔は、「プリンセス・トヨトミ」の物語に続いているのだから。
 
2度目に読んだら更に更に好きになりました。
この作品はマキメさんの新境地ですね、間違いなく。
(5点)