No-music.No-life

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ウォーク・イン・クローゼット

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「ウォーク・イン・クローゼット」
主人公・早希は、28歳、彼氏なしのOL。売り出し中のタレントだりあは幼なじみ。だりあのマンションには、撮影で着て買い取った服がぎっしりの、早希には夢のようなウォーク・イン・クローゼットの部屋があるのだ。そんなふたりの友情のゆくえは…?

「いなか、の、すとーかー」
陶芸家デビューからわずか3年、石居は、テレビで特集が組まれるほどの人気の売れっ子。東京の美大卒業後、郷里に戻り、工房をかまえ、絵になるロハスな陶芸家生活を送っている。しかし、以前から彼を追う女ストーカー・砂原が工房に現れるようになり、事態はどんどん不穏さを増していき…。

綿矢りささんの本です。
 
一時執筆が止まっている時期もありましたが、最近は少しずつ作品を発表してくれるので嬉しいです。
「インストール」で初めて綿矢さんを知り、「蹴りたい背中」に共感し、「夢を与える」で衝撃を受けた私ですが、ここ最近の綿矢さん、なかなかいいです。
 
ある一定時期からふっきれた感じが出て、鋭い描写にすっと入ってくる毒がたまらんです。
 
特に綿矢さんは女性目線から書くと格段に上手い。
勿論この「いなか、の、すとーかー」のような男性主人公も悪くないんですが、個人的には表題作の「ウォーク・イン・クローゼット」が好きです。
 
今振り返って感想を書いて見ようとすると、結局劇的な展開があるとかいう話ではないんですが、これは展開も良く、登場人物も好きな感じでした。
 
次回作にも期待しております。
(4点)