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八月の六日間

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40歳目前、雑誌の副編集長をしているわたし。仕事はハードで、私生活も不調気味。そんな時、山歩きの魅力に出逢った。山の美しさ、恐ろしさ、人との一期一会を経て、わたしは「日常」と柔らかく和解していく――。

北村薫さんの本です。
 
北村さん、大分久々に読んだかもしれない。
いつもコメント&ご訪問をいただいているyaMiさんが、山好きの私のためにオススメしてくださった作品です。
 
丁度文庫が今月発売しましたが、図書館で借りて単行本版で読みました。
 
いや、いいですね。
凄くテンションが上がりました。
 
○月の○日間、という感じで各章に分かれているんですが、夏山だけではなく冬山(スノーシュー?)などなど気になる登山がたくさん。
また、今年は行ってみたいと思っている燕岳の話から始まり、行ける訳ないと思いつつやっぱり名前を聞くと憧れる槍ヶ岳など、各章のルートマップ(イラスト)を見るだけでワクワクしました。
 
何よりあの登山前日のドキドキ感がね。
パッキングのシーンが凄くリアルで、持っていくもの(特に食べ物のセレクトが良い!)を準備して、忘れ物はないかな、とドキドキしながらつめていく感じが凄く共感がもてました。
 
一つだけ難を言うならば、この主人公が日常(仕事とか)に疲れて・・・みたいな感じの設定だったのですが、何だかんだと出世街道を進んでいて、職場の仲間(山仲間もいるし)にも恵まれていて、そんなに悲壮感がなかったことですかね。
 
まあそれはそれで置いておいて、山好きの人にはぜひとも読んでほしいですし、山を知らない人にはぜひ疑似体験を楽しんでほしいなあと思います。
ただ、この主人公は3年の登山経験で単独山小屋泊とかに繰り出せちゃうような経験者なので、こんな簡単に登れるなら・・・というノリでアルプスに行っちゃだめですよ(笑)
 
私も登山経験3年ですが、ここまで単独で行けるようになるのは相当なレベルだと思います・・・。
 
単独登山の途中で知り合った人と運命的に再会し、交流ができるようになるなんて何だかうらやましい展開です。私もそんな出会いがほしいなあ。(この本の中に出てくる、登山で知り合った鹿のようなしなやかな女性が凄く魅力的なのです)
 
(4点)