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2016年3月30日(水) ゲスの極み乙女。「ゲス乙女大集会~武道館編~」@日本武道館

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※これは、騒動前に入手していたチケットです。
 
と言い訳をしなければ、ライブに行く事と言う事が恥ずかしいような話題のバンドになってしまった。
 
勿論そんなことはないという反論はあるだろう。
だけど、「音楽」が少しずつ世間に浸透していた中でのあの「騒動」は、音楽を知らない人から見たら「あの騒動の張本人がいるバンドね」という印象に上書きされた事は否めないと思う。
 
元々は、indigo la Endを知ってからゲスを知り、メンバー云々よりは音楽やライブを見てファンになった。
だからこそ、ボーカルの不祥事(?)があったくらいでは嫌いになるということはないだろう、と思っていた。
 
ネットニュースのコメントで、よくこんな奴のライブなんか行くよな、あんな音楽なんか聞こうと思うやつが不思議とかいうものを見るが、「いやいや音楽とは別物でしょ」と思っていたクチであり、それでも変わらずファンでいられると思って疑わなかった。
 
しかし1月から3月になっても細々とだがこの「騒動」は尾を引き、TVやネットで誹謗中傷の嵐を見たり聞いたりするにつけ、私の中でもどんどんバンドに対する興味関心が薄れてきていたのかもしれない。
 
チケットは既に昨年中には取っており、売ってしまおうかと思いもしたが、オークションを覗いて見ても全然入札されていない。これは売れない、ならば行ってみるか、という程度の気持ちで行ってみることにした。
 
正直なところ、ライブ前のワクワク感や楽しみはなかった。こんなことは知らないバンドのライブを見る時くらいしかない稀な事である。

武道館に向かう道すがら、人で溢れかえる光景を見てもわくわくはしない。
むしろ全然ファンは減っていないなあと傍観している自分がいた。
 
武道館の席がなかなか見つからず、間違って違う席に行ってしまって番号を聞いた人に嫌な顔をされたり、そういえば前の横浜アリーナの時も席が分からなくて係員に聞いたら物凄く迷惑そうに案内されたことを思い出したり。テンションが上がらないまま。
 
ただ何処かで聞いたことある曲だ、なんだろうこの心地良い声は・・・と思ったら、何故かAPOGEEの3枚目のアルバムが流れていた事だけは唯一嬉しい事だったかもしれない。
 
ようやく見つけた席。
隣の女の子はノリノリである。周囲の人もかなりノリノリ。黄色い声、応援する声、野次は全くと言っていいほどない。
 
「騒動」後ということもあってか、いつもはかなりの時間を割いているMCなし、おふざけなしの演奏一本勝負でステージは一旦終わる。
 
名前の割に思っているよりも真面目でしっかりとしたライブを魅せてくれるのも、メンバー一人一人の演奏力が高い事も、チームワークが良さそうな雰囲気を醸し出している事もいつもと変わらない。
 
・・・はずなのに、私の心にだけはまるで響いてこなかった。
 
これはどういうことなのだろう、いい歌だなと思う。
好きな曲だって演奏してくれた、いこか様は変わらず可愛いし、課長はいかしてるのに。
 
自分の心だけが、全く受けつけなくなっていることに愕然とした。
 
体を揺らすと言う事すら何故かできず(無意識に揺れもせず)、2時間ほど突っ立った状態で私はライブを見ていた気がする。
 
一つ良かったなと思うのは、コーラスのおかしらさんとえつこさんの見事な歌声を堪能できたことか。
 
ただこの曲や映像を使うライブパフォーマンスは、音楽としては大変自分好みではあるんだけど、「ちょっとサカナを意識してる?」と思ってしまう部分を感じてしまったことは嫌だったな。
彼らには彼らにしかない強み、他のバンドにはない特色がせっかくあるというのに、と。
 
最新アルバム「両成敗」を引っ提げてのツアーということで、最新アルバムを中心としたセトリだったが、騒動の後だからなのか、今まで外れが一つもないと思ってきたアルバムの中で、唯一今回はちょっと微妙だった、と思ったあたりから、私のゲス離れは始まっていたのかもしれない。
 
「セルマ」とか「無垢」とか好きなんだけどなあ。

ライブを終えて、「騒動」の影響でまだワイドショーのインタビューに答えている人の姿をちらほら見た。
それを見て「こういう奴らがいるからMCやらなくなっちゃうんだよ!」と憤る女の子達や、「CDと同じだね!凄い!」「最高だった!」と言っている人々も。
 
私のようにもやもやした気持ちのままライブに行って、楽しめなかったという人はどれだけいただろう。
もしかしたら少数派なのかもしれない。
 
そう思うけど、今までと同じように彼らの曲を聴けなくなっていることがとても悲しいと思った。
 
あんな「騒動」後でも変わらずファンでいてくれる人達がこんなにも武道館に来てくれて、ライブを最高だ、また見たいと言ってくれるファンをどうか大切にしてほしいと思う。
 
この日も「騒動」に触れる事も謝罪することもなかったけれど、当人のせいで無駄にプライベートを暴かれてしまった他のメンバーや、Twitterの発信ができなくなったメンバーや、関係ないところで誹謗中傷を受けたりするのを、どうか悪かったときちんと思ってほしいのだ。
 
バンド名からキワモノと思われていた彼らが、一時は世間に「音楽」で認められ、紅白歌合戦という国民的歌番組にまで出る事ができるようになったという事実を、どうかもう一度思い出してほしい。
 
誰に謝れじゃない、御礼を言ってほしい。
 
「騒動」後でも変わらず好きでいてくれるファンと、変わらず一緒に音楽をやってくれるメンバーに。

ライブ感想というより、自分が感じた思いを正直に書いてみた。
 
多分しばらくはワンマンには行かないでしょう(チケットも取れないし)。
フェスで見るというくらいの距離感で追って、また前見たいに曲を聴きたいと思えたら元に戻る、そんな感じでいいかなと思っている。
 
これはあくまで個人的な感想で、批判でも肯定でもないことを最後に挙げておく。
 
それでもやっぱり、いこか様と課長の掛け合いは好きだ。