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悟浄出立

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俺はもう、誰かの脇役ではない。深化したマキメワールド、開幕! 砂漠の中、悟浄は隊列の一番後ろを歩いていた。どうして俺はいつも、他の奴らの活躍を横目で見ているだけなんだ? でもある出来事をきっかけに、彼の心がほんの少し動き始める――。西遊記沙悟浄三国志趙雲司馬遷に見向きもされないその娘。中国の古典に現れる脇役たちに焦点を当て、人生の見方まで変えてしまう連作集。

万城目学さんの本です。
 
本屋大賞にノミネートされているので、予約待ちで今か今かと待っていた本でした。
 
読み終えてみて、まず思ったこと「勿体ないことした!」。
 
私は悲しいことに、西遊記三国志の具体的な話を全く理解していません。
読んだ事もないし、何となくこういうキャラクターがいる、という程度の知識しかなかったのです。
 
ということで、それらを元にした話ということで根柢の世界感を理解していないが故に入り込めなかったのです。
 
前作「とっぴんぱらりの風太郎」路線で、表題作以外はほぼ真面目なマキメ作品に仕上がっています。
どうしても全力でアホをやっている路線のマキメさんに慣れているせいで、時々見せる真面目な作風にはドキッとさせられます(しかもそれはそれで良いんですよね、これが)。
 
しかし本屋大賞にノミネートされるほどポピュラーで親しみやすい、という感じの作品ではなかったかなあ。
マキメ作品には珍しく割と薄めのハードカバーなので、手に取りやすいことは良いですがね。
 
最近は真面目路線が続いているので、そろそろ真面目じゃないとぼけた作品(褒め言葉)も期待したいなあ。
(4点)