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貘の檻

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真実は「悪夢」の中に隠されている――。幻惑の極致が待ち受ける道尾ミステリーの頂点! あの女が、私の眼前で死んだ。かつて父親が犯した殺人に関わり、行方不明だった女が、今になってなぜ……真相を求めて信州の寒村を訪ねた私を次々に襲う異様な出来事。はたして、誰が誰を殺したのか?


道尾秀介さんの本です。
 
道尾さんの新作ということでやはり期待してしまうのがファン故のこと。
なかなかの分厚さ。
 
いつものように文学路線だろうか?と何気なく読んでいると、今回はミステリ展開だったのですね!
全然犯人がどうとか考えないで読んだので虚をつかれました。
 
なんでしょう・・・
主人公がなかなかのメンタルやられている感じの人だったので、思考の迷走感、全体的に漂う暗い雰囲気がどうにも気分が滅入りました。
 
ただ、道尾作品ならではの全編に漂う不穏さはいつもの如くでむしろ好きなんですけどね。
信頼していたあの人が犯人でもあり、思い違いをしながら死んでいった人達の事を考えると、何だか報われない話でもありました。
 
それでも最後の息子とのシーンは希望を感じられるものだったので良かったですが・・・。
アヤネがもう少し絡んできても面白かったかなあ。
このキャラクターは別のシリーズでも使えそう。
(4点)