No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

ハング

イメージ 1

いったんは迷宮入りした宝飾店オーナー殺しに新事実が浮かび上がった。再捜査にあたった警視庁捜査一課特捜一係「堀田班」は一気に犯人にたどり着き、自供も得るが―。初公判で犯人は、堀田班メンバーに自供を強要されたと言い出し、名指されたメンバーは首を吊った。さらに一人、また一人と積み上がる死体とともに、巨大な闇が姿を現す。




誉田哲也さんの本です。

先日読んだばかりの武士道エイティーの印象が強くて(笑)、本当にあの小説を書いた人と同一人物なのか?!という驚きもありつつ、警察小説を書かれている印象もやっぱり強くて、凄いなあととにかく感心しながら読んでいました。


誉田さんといえば、姫川玲子シリーズやジウシリーズなど、警察小説を書かれている訳ですが、とにかく今回の話は人が死にまくります。
誉田さんの作品で人が死なないのは、「武士道~」シリーズだけではあるわけですが、それでもバッタバッタと死んでいきます。いっそ潔いくらいに。

読み始めはなかなかとっつきにくい感じで先が思いやられるわ・・・という感じだったのですが、雲行きが怪しくなっていくきな臭い展開になってくると、誉田さんの本領発揮!という感じでした。

とにかく死体描写がグロいのと、警察の上層部のドロドロ(というか、確執)、組織ぐるみの隠匿、暴力団との繋がり、殺人犯のほの暗い過去――と、特に真新しいことはない、誉田さんならではの展開です。

死体描写のグロさには慣れて来ましたが、とにかくこの警察という組織のどうしようもない部分を描くのが上手いですよね。

ほんっとに何やってるんだ警視庁!警察!と言いたくなるくらい、読んでいてイライラしました。


誉田さんは骨太な警察小説を書かれる方で、技量も十分あると思うのですが・・・
なんだろうなあ。何かがもう少しプラスされたらきっともっと良くなると思うんですよね。

捜査にあたった主人公の男が、愛する女や仲間を無残に殺された事によってまっとうな道から外れていく様を、もうちょっと丁寧に書いて欲しかったかな。

相手の女の子との絡みが凄く少なかったのに、何だか急な展開のような気がしました。

それにしてもこの主人公・・・何処まで堕ちてしまうんでしょうね。。
何だか悲しい結末でした。