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フリーター、家を買う。

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「母さん死ぬな—」へなちょこ25歳がいざ一念発起!?崩壊しかかった家族の再生と「カッコ悪すぎな俺」の成長を描く、勇気と希望の結晶。




有川浩さんの本です。

諸に感情移入して読んでしまいました。

それにしても・・・この頭でっかちな父親はどうにかならんのかね。
有川さんの描く父親って、結構頑固で難しいオヤジが多いですよね。


リアルに転職活動を始めて、不況の厳しい現実を突き付けられた今日。

二流だって三流だって、四流だってね・・・大学に出てさえいれば得られる資格を、どうして大卒という経歴を持っているくせにやる気がない若者どもは無駄にするのかっ!と高卒の私はいつも思うのです。

この時代ですよ。
応募資格が、「短大・大卒以上」となっている求人のなんと多いことか!

いくら無名で偏差値の低い大学だって、大卒であるというだけで応募できる求人が沢山あるんですよ。それなのに・・・

この主人公の最初の体たらく・・・新卒で入った会社の研修に違和感を覚え、たった3ヶ月で辞めてしまうへたれ。
お金がなくなったら気ままにバイトして、実家暮らしでのうのうと生きている・・・

二流といえども、それなりに名の知られた大学に出てるお坊ちゃん。
父親は有名大学を出て、名の知れた企業で働いているエリート。

そんなどうしようもない息子が、母親の病気をきっかけに変わっていく物語。

母親の病気や、その原因がかなり重いです。
だけど、だからこそ機能停止していたような家族間の繋がりや信頼関係が少しずつ復帰していくのは読んでいて本当にほっとしました。

ただ・・・就職してから何だかとても順調で、今まで何社も受けて落ち続けてきたようなちゃらんぽらんな若者だったとは思えないくらい成長しているんですよね。

そこがちょっとうまく行き過ぎてるかな・・・という気はするのですが、就職活動で挫折している人とか、フリーターやニートの人には特に読んで欲しいかも。

私も今結構切実な状態なんですけど、それでもかなり自分の事のように思いながら読んでしまいました。


有川作品にしては、大分甘さ控え目です。
でも、最近の有川作品はちょっと重めだけど凄く余韻が残って自分は結構好きです。


この設定で父親がお金を入れないとか、育児放棄とかしてるようなどうしようもない親父だったら、もっと状況は変わってたんだろうなあ。

父親が母親や子供に理解力がないというのも大きな問題だけど、それでも家庭にお金を入れないとかではないから、母親の問題が浮き彫りにならない限り息子も問題に気づかないくらいのうのうと生きていけたんだろうなあ・・・とかね。自分の事と比べて、やっぱりまだこっちの方が状況はマシなんだろうなあと思ったりするのでした。