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正体不明、明らかに年下。なのに「お兄ちゃん」!?結婚を控えた私の前に現れた謎の青年。その正体と目的は?人生で一番大切なことを教えてくれる、ウェディング・ストーリー。


瀬尾まいこさんの本です。
 
ウェディング・ストーリー?
そんな陳腐な言葉では表せないな。
瀬尾さん、やっぱり好きだー。
 
30代半ば、そろそろ結婚かとお見合いで知り合った男性と何の障害もなく結婚が決まっているさくら。
和菓子屋の職人である結婚相手の山田さん。
嫁入りを快く迎えてくれる姑と舅。
 
何の問題もなく結婚を間近に控えていたさくらの前に、突然現れた「お兄さん」。
 
身内でもない、知り合いでもない、全く覚えがないその「お兄さん」は、明らかに自分より年下だった――!?
一体この男は誰なのか?
 
 
そんな突拍子もない展開が、何故だかすんなりと入りこめるのだから不思議です。
職場も誕生日も結婚予定であることも何でも知っている「お兄さん」。
普通だったら明らかに不審で怖いと思うのですが(笑)、この「お兄さん」のノリだといつの間にか相手のペースにはまってしまいます。
 
一体この人は誰なのか?
その答えを知りたい一心でページをめくるのだけど、何処か目の前にある運命をただ受け入れるだけの受け身だったさくらの気持ちが、少しずつ前向きになっていく様子は微笑ましく、そして確実に山田さんが素敵に見えてくるから不思議でした。
 
答えは「なーんだ!」という感じではありましたが、山田さんとの関係も一歩進んだ感じ。
とても心が軽くなるような読後感でした。
(4.5点)