アパートの裏階段。太陽も当たらず湿ったその場所には、秘密の生き物たちが隠れ住んでいる。タマネギを食べるネコ、幸せと不幸をつかさどる笛を吹く蜘蛛、身体の形を変えられる煙お化け。好奇心いっぱいの子供たちは、奇妙な生き物たちを見逃さず、どうしても友達になろうとするが……。
久々の佐藤多佳子さんの児童小説でした。
最近は一般向けを書かれている佐藤さんではありますが、久々に凄く爽やかな気持ちにさせてもらった作品でした。
児童小説にありがちな「子どもにしか見えない」「子どもだけ」限定の不思議な設定。
この作品はそんなありがちな展開を覆し、主人公の子供の親、大人にも見る事ができる、感じる事ができる不思議な出来ごとが描かれます。
タマネギ猫、モクー、笛吹きの蜘蛛。
想像しただけで不思議で、愉快で、わくわくします。
夏休みにピッタリの本。
とても読みやすく爽やかな一冊でした。
(4.5点)