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おれたちの故郷

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中学生ばかりが暮らす札幌の小さな児童養護施設・魴鮄舎(ほうぼうしゃ)。率いる恵子おばさんはいつだって真っ向勝負、エネルギッシュな変わり者で、彼女の情熱にたくさんの子どもたちが生きる道を見つけてきた。その魴鮄舎が閉鎖の危機にさらされているという。東北地方を襲った未曾有の震災から一年、耐震性が問題視されたのだ。今は魴鮄舎を離れ仙台の高校に進んだ陽介、青森の高校でバレーボール選手として活躍する卓也はすぐにおばさんのもとに駆けつける。が、当の恵子おばさんはなぜか「無理する気はない」と宣言。必死の思いで存続活動を始める陽介だったが、ある日、春高バレー進出を決める大事な試合を前に卓也が寮を飛び出したとの連絡が。卓也はどこへ向かっているのか? そしておばさんの真意は?


佐川光晴さんの「おれのおばさん」シリーズ第四弾にして最終巻。

 
と思ったら、第一部完結編?!
二部があるということなのでしょうかね。
 
このシリーズ、新聞広告に掲載されていたのを見て何気なく手に取ったことがきっかけでしたが、「諦めない」ということ、人と人との繋がりのかけがえのなさに改めて気付かされます。
 
すっかり高校生らしくなった陽介の成長が眩しいですが、今回のメインはバレーボールの有力選手として活躍する卓也でしょうか。
 
魴鮄舎が閉鎖されるかもしれない危機、おばさんとの意見の食い違いから一度はバレー部を退部すると言いだした卓也を、いとも簡単におばさんは元の場所に連れ戻してくれます。
 
絶対に相手を信じること、厳しくするときは厳しく、だけど受け入れてくれる時はとことん。
 
おばさんのパワフルさ、包容力、その全ては真似できないですが、いつもこのシリーズを読む度に元気をもらえる気がします。
 
個人的に陽介の先生のおばさんへの恋心(?)が実ったら嬉しいのだけれど(笑)
第二部があるのなら期待しちゃいますね。
 
読後感がとても爽やかでした。
(4.5点)