No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

つきのふね(文庫版・再読)

イメージ 1
 

自分だけがひとりだと思うなよ!
死ぬことと生きることについて考えてた。どっちがいいか、どっちがらくか、どっちが正解か。今までずっとそういうこと、考えてきた気がする。

あたしはちゃんとした高校生になれるのかな。
ちゃんとした大人になれるのかな。
ちゃんと生きていけるのかな。


森絵都さんの本です。
 
図書館で借りた本を読み切ってしまい、借りに行く暇がなかったものだから、持っていた本の再読です。
この本は、初めて読んだのはいつだっただろう。
大分前だと思うのですが、何度も読んでいる好きな作品の一つ。
 
私が児童書を読むようになったのって、巻末の解説にもありますが、あさのあつこさんや、森絵都さん、佐藤多佳子さんあたりからなんですよ。
その中でも、森絵都さんはやっぱり上手いなあと思います。
ただ、佐藤さんとあさのさんは大人向け小説にシフトしていってもすっと入るのですが、どうしても森さんだけは児童書以外の作品があまり楽しめない傾向にあって・・・。
個人的には児童書の森絵都、が好きみたいです。
 
森さんの代表的な児童書の中で、映画化されている「DIVE!!」や「カラフル」と並んで名作と思うのが本作なのですが、ラストのページでわーってなりますね。
上手い。本当に上手い。
 
中学生にしては随分な不良ですが(売春斡旋とか)、中学生ならではの多感な時期。
女の子の複雑な心情、女友達との難しい関係とか、そういう描写が本当に上手いのですよね。
 
たまにこういう作品を読むと、すーっと入ってくるなあ。
解説にも書かれているけれど、大人が読むと更に良さが分かる本だと思います。
むしろ、大人に読んでほしい本です。
ぜひぜひ。