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あかりの湖畔

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――大切な家族だからこそ、打ち明けられないことがある―― 山の上にある大きな湖、その畔をめぐる遊歩道の奥に、食堂と土産物屋を兼ねた「お休み処・風弓亭」がある。麓の温泉街で観光案内所に勤める父に代わり、店を任されているのは三姉妹の長女・灯子(とうこ)。次女・悠(ゆう)は恋人の就職を機に東京へ出て女優を目指し、高校生の三女・花映(はなえ)もまた将来は美容師になりたいと言う。26歳になった灯子だけが「天上の人」とからかわれながら、生まれ育った湖畔でいつまでも変わらぬ暮らしを望んでいた。かつて家を出ていった母親の不在を埋めるように、妹たちに言えない彼女だけの「秘密」を抱えて。ある日、外界から一人の青年・辰生がやってきて街に住み着く。妹二人は彼こそが灯子の「運命を変える」相手になるのではと噂しあうが……?


青山七恵さんの本です。
 
青山さん、やっぱり上手いなあ。
劇的な出来事なんて起こらない、普通の日常を描くのが本当に上手い。
 
大きくないけれども季節によってはそれなりのにぎわいを見せる温泉街のお店で働く長女と、女優を目指して東京へ行く予定の次女、高校生の三女の三姉妹の物語。
 
私も三人兄妹の長女でありますが、姉がいたらどんな感じなんだろうなあと思う事があります。
 
三姉妹、ちょっと憧れますよね。
赤川次郎さんの「三姉妹探偵団」とか。
 
やはり長女である私は、この物語の長女に肩入れして読んでしまいます。
次女や末っ子の気持ちは、やっぱり理解できなかったりもして。
 
本当に、何が起こる訳でもない物語です。
だけど、なんか読み終わってほっとしました。
 
姉の掴みどころのないところには共感しにくかったけれど、母親が出て行き不在となった家庭では、「自分がしっかりしなくちゃ」と思ってしまうのが長女なのかな。
この長女も隙がなくて、浮いた話の一つもないのですが、下の妹達の奔放さを少し分けてあげたい!と思ってしまいました(笑)
でも、これが長女というものなんですよねえ。