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小暮写眞館<下>

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人の想いは思いもかけない場所に現れることがある。たとえば写真とか。英一の小学生の弟、光の様子がおかしい。友人のテンコによれば、彼は写眞館の元主、小暮さんの幽霊に会いたいのだという。そして垣本順子、英一と家族、各々が封印してきた過去が明らかになる。


宮部みゆきさんの本です。
 
上巻に比べて下巻の方がテーマが重めでしたが、展開がスピーディーになって面白く読めました。
「カモメの名前」のオチというか結末というか、それがいまいち分からなかったのですが・・・
 
「鉄路の春」は、垣本順子が主になっていて、気になるけど気になってなんていないぞ、というスタンスの英一との微妙な距離感が読んでいて微笑ましいです。
 
薬の過剰摂取や、線路に降り立ったりと危うげな垣本順子。
終始冷めているようでいて、英一を突っぱねる訳ではない。
 
英一はさりげなく学祭に誘ったり、心霊写真の依頼の話をしてみたり、映画に誘ってみたりとデート?を重ねます。
少しずつ垣本順子が英一に心を開いてきたかも・・・と思っていた矢先、悪い予兆は当たってしまいます。
 
すわ、自殺でもして死んでしまうのでは?!と心配しましたが、あんなラストなら希望がもててとても良いです。
 
ピカのおねしょの原因はいまいちしっくり来なかったりもしましたが・・・
なかなか面白く読めました。
 
上巻の「心霊写真探偵」の展開とはかなり変わりますが、下巻の方が好きかな。
(4点)