No-music.No-life

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雨の降る日は学校に行かない

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昼下がりの保健室。そこは教室に居場所のないサエとナツのささやかな楽園だった。
けれどサエが突然“自分のクラスに戻る”と言い出して──「ねぇ、卵の殻が付いている」
“お父さん、お母さん、先立つ不孝をお許しください”。早朝の教室で、毎日手帳に書いていた架空の遺書。その手帳を偶然にも人気者の同級生が拾ってしまう――「死にたいノート」。
揺れ動く6人の中学生の心を綴る6つのストーリー。


相沢沙呼さんの本です。
 
相沢さん、マジで男性作家なんですよね。
凄過ぎる・・・!
 
というのも、朝井リョウさんの「スペードの3」ばりに、女性(女の子)の心理描写を的確に描いているからなのです。
 
特に中学生の女子。多感な年ごろです。
底辺女子に属する、「普通の子とは違う」「学校になじめない」「浮いている」という子達の話。
 
かくいう私も高校の時は底辺にいたので、もう嫌と言うほど共感し過ぎて苦しくなるほどでした。
 
中学の時って、学校が生活の大半で、学校に居場所がなかったら絶望的な気分になるほど辛い。
大人になっていくうちに、学校なんて大したことがないと思うようになるけど、この頃は棲む世界がとても狭いから、学校で上手く馴染めない=生きていく価値もない、という所までいってしまう。
 
今はネットやスマホがあって、便利な反面、この本に出てくるように「既読スル―」によっていじめられるようになってしまう原因にもなっていたりする。
今は本当に生きにくい世の中ですね・・・。
 
悲しいけれど、どの時代にも全く気持ちを理解してくれない先生というものも存在するし。
 
最後の表題作から冒頭の話に戻ると、救いが見えてきます。
何だか胸に染みる短編集でした。