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星籠(せいろ)の海 下

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複数の死亡事件の背後に見え隠れする、ある団体の影―疑惑の究明に動きながら、御手洗潔は事件関係者の大学助教授とともに、幕末に老中首座を務めた福山藩主阿部正弘と、かつて瀬戸内を制した水軍の秘密に迫っていく。そこに、鞆に暮らす革職人一家が襲われる凄惨な事件が発生。これを糸口に、御手洗の推理で炙り出される事件の全容。そして「潮待ちの港」の歴史に秘された奇跡とは―!?御手洗潔、国内編最終章。


島田荘司さんの御手洗潔シリーズ。
 
上巻で期待したわくわく感が、下巻でやや失速の印象。
期待が高すぎたせいでしょうか。
 
時代設定に携帯が登場するのがおかしいと違和感を覚えたり、御手洗の追っているパクがどれほど重大な人物なのか、いまいち伝わってこない。
 
そして、彼氏側から見たら運命の女神のような女性も、実はとてもしたたかで性格の悪い人物だったのが分かる章を読んでいて思わずげんなり。
それと上巻でこの女の子の彼氏が付き合っていた元カノの事はほとんど出てこないし、上巻で期待を膨らまさせてくれた色々も、あんまり納得できない感じで終わってしまったのが悔やまれます。
 
御手洗と言えば警察嫌いの印象が強いですが、この話に出てくる警察はとても協力的なのでスムーズに事件解決に結びついてしまった感もあって・・・
なんだか今までの御手洗シリーズとはちょっと趣が異なるというか。
 
ただ、やっぱり石岡君と御手洗のコンビは読んでいてとても楽しいし、嬉しかったですね。
それと忽那と少年の話は良かったです。
 
御手洗シリーズの次作にも期待したいです。
(3.5点)