No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

龍臥亭幻想㊦

イメージ 1
 
甦る「森孝魔王」の恐怖!
御手洗潔と吉敷竹史の推理がクロスする!

「この頭部、足部を森孝の具足中に葬れ」
血溜りに浮かぶ生首と切断された片足。発見された第三の死体が、龍臥亭を恐怖の底に叩き落とした。そして、旧日本軍の研究所で行われていた肉体縫合の悪魔的な実験。百年の時空を超えて、伝説の魔王が甦る――。
ファン待望! 御手洗潔と吉敷竹史の推理が、いま初めてクロスする!


島田荘司さんの本です。
 
島田さんの作品を代表する、御手洗潔と吉敷竹史が初めて融合した作品であります。
下巻で二人が出て来ますが、例の如く御手洗は外国にいるので電話越しにアドバイスをしてくれます。
 
龍臥亭事件では、御手洗の簡素なアドバイスから真相まで辿り着いた石岡君。
今回もそうなのか?と思わせておいて、事件解決は別の形でとなります。
 
いやーもう、下巻ヤバかったです、面白かったー!
続きがめちゃくちゃ気になって仕事ほっぽりだして没頭したかったくらいです(笑)
 
伝説だと思っていた人物が実際に登場した時は、こればかりは御手洗にも吉敷にも解決できまい!と思いましたが、まさか事件の真相が・・・
 
今回日照さんにやられましたよ、私。
 
(※若干ネタバレ注意)
殺人事件や曰くつきの昔話が伝わる貝繁村の、唯一の毒。
その毒を取り除く事ができる人間が一人もおらず、毒に侵されながら声を上げることも逃れることもできないのだとしたら、誰かがその毒を除去するしかない。
それがその毒=ある人物を殺す事になろうとも、それが唯一の解決策、村の平和に繋がるのならばやらなければいけないと決意するに至ったその気持ち、殺人犯を擁護するつもりは全くないけれど、心を打たれてしまいました。
誰かを大切に思う気持ちは、同時に大切な誰かを傷つける者に対する強い憎しみも生みだす原因になってしまうのかな。
 
ちなみに、吉敷刑事の話を全く読んでいないので、これはそちらのシリーズも読んでから読んだ方がもっと楽しめたのではないか、とその点だけが残念です。
あと、里美がミーハー心だけで御手洗との思いもがけない会話を喜んでいるだけなら良いのですが(石岡君頑張れ!)。
 
いやはやとにかく面白かったです。
さてと、残る御手洗シリーズはどれもこれも単行本でめちゃくちゃ分厚いのばっかりなんだよね。
どれから読もうか・・・