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奇想、天を動かす 吉敷竹史シリーズ⑪

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浅草で浮浪者風の老人が、消費税12円を請求されたことに腹を立て、店の主婦をナイフで刺殺した。だが老人は氏名すら名乗らず完全黙秘を続けている。この裏には何かがある。警視庁捜査一課の吉敷竹史は、懸命な捜査の結果、ついに過去数十年に及ぶ巨大な犯罪の構図を突き止めた。


島田荘司さんの「吉敷竹史シリーズ」第十一弾。
 
吉敷作品の中でかなり評判が良いようなので期待しておりました。
それにしても・・・一週間も読み終えるまでに時間がかかるとはどういうことか。
 
今週は相当疲れがピークに達していて、なかなか読み進める事ができなかったんですよね。
 
消費税が導入されたばかりって、こんなに世の中は混乱していたのですね。
小学生の頃、ジュースが100円でなくなったというところあたりから消費税というものを認識し始めたものですが、今回はそんな消費税が元で起きた殺人事件の真相に迫る吉敷の姿が描かれます。
 
主任とどんどんウマが合わなくなっている気がして心配。
そんな中で牛越刑事の存在が本当に癒しですね。
 
真相が解明され、犯人にとっては自分を理解してくれる存在が現れたということがとても救いだったのではないかと思います。そういう場面を含め、ラストの感動はひとしお。
 
追憶のカシュガル御手洗潔シリーズでも取り上げられていた、日本軍が戦争時に行ってきた様々な仕打ち。本作でもそれが取り上げられていますが、ミステリだけではなく、社会派との見事な融合に引きこまれました。
改めて精神的にも体力的にも正常な時に読み返したいです。
(4点)