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龍臥亭事件㊦

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石岡が遭遇した、岡山県の村での大量連続殺人事件の犠牲者はさらに増え、村は地獄絵の様相に…。村人の言う“村の業”とか“因縁”とは何か?言い知れぬ恐怖が支配する深夜、伝説の男の亡霊が現われた…!?彼による30人殺しとは?現代に甦る昭和史の残忍な悪意とは?御手洗潔の友人・石岡和己が解き明かす五十数年に及ぶ壮大な謎とトリック!傑作巨編。


島田荘司さんの御手洗シリーズ。
という訳で、三日かかった上巻を読み終え、いそいそと下巻に取りかかった訳ですが、やっぱり三日かかりました。
面白かったー!
けど、本当に読むのに時間がかかって、真相が気になるものだからとにかくもどかしくて仕方がなかったですね(笑)
 
そして、面白いくらい御手洗が登場しません。
まあこれは、石岡君の再生の物語でもある訳で、御手洗は本当に第三者的な感じでしかない訳ですけれども。
 
でもあとがきを読んで初めて知りましたが、島田さんのもう一つのシリーズものである、吉敷竹史シリーズとのリンクがあるようで。
まあ私はまだ御手洗シリーズしか読んでいないから分からないとしても、いやはや原稿用紙2千枚にも及ぶ壮大なストーリーにすっかり引きこまれてしまいました。
 
それにしても、閉塞的な田舎の風習や恥や外聞というのは、恐ろしいものだなあとしみじみ感じましたね。
個人的に下巻の、30人殺しの犯人である睦雄の話はある意味で壮絶。
ここまで冷静にこれだけの人を殺せる犯人が未だかつていただろうか!というくらい、引きこまれてしまいました。
 
そして今まで御手洗のワトソン役に徹していた石岡君。
今回は魅せます!
 
石岡君ファンは絶対読むべきです。
体を張って、命をかけて犯人に挑む姿は本当に格好良い!
 
最後の最後まで物凄く面白かったのですが、しかし個人的に犯人が思いがけなさ過ぎる人だったのとちょっとした違和感があったので、4.5点になりました。
ただ、それでも上巻から面白かったので、4点評価から4.5点評価へ変更。
下巻も引き続き、その面白さを失わないでくれるので、いやーもうじっくり一日かけて上下巻を読み直したいと思ったくらい、読み応え十分の話でした。
 
御手洗が出てこないから読まない!なんていう人がいたら、勿体ないので考えを改めましょう。
御手洗ファンの私でも、十分楽しめましたので(笑)