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ゴーストハント 読本

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作家や文芸評論家が小野不由美小説の原点「ゴーストハント」シリーズの真価を問う! ミステリー、ホラー、オカルト、少女小説……さまざまな側面からシリーズを考察してゆく。荻原規子辻村深月池澤春菜の鼎談をはじめ、千街晶之、風間賢二、井辻朱美一柳廣孝、今井秀和、東雅夫法月綸太郎らによる寄稿を収録。作家・小野不由美はどのようにして生まれたのか――。『鬼談百景』『残穢』へと繋がる、小野不由美の足跡をたどる。


小野不由美さんの「ゴーストハント」シリーズの読本。
たまたま図書館で見かけて借りて来ました。
 
私が「ゴーストハント」の存在を知ったのは、講談社なかよし(少女時代に一度は通る3大月刊誌。「りぼん」「なかよし」「ちゃお」)に漫画が掲載されていたのを読んだのが初めてだったと思います。
 
ナルが格好良いなあーという、イラストが割と自分好みだったというのと、内容も当時のなかよし(そろそろ月刊誌購入を卒業しようかと言う年頃の時代だったので、人気連載も少なくなっていた気がする)にしては、物語としてのクオリティが高かったのですよね。
機会があればコミックも買ってみたいなあ、と思ったほどなのでかなり印象的だったと思われます。
 
しかし結局コミックを購入することもなく、小説も本作の辻村さんが言うように私も「ティーンズハート」の文庫を読んでいたものの、何故かこの小説を読む事がないまま今に至っていました。
 
何がきっかけだったのか分からないですが、図書館でこのシリーズのリライト版を見つけて読み始めて・・・すっかりその面白さにはまり全巻を読破した次第。
 
怪奇的な怖さも勿論あるけど、登場人物達のコミカルな掛け合いと、ほのかな恋愛。
これがティーンズ向けの小説だったとは思えないほど面白くて、読み終えるのが何だか切ないようなシリーズでした。
 
で、この読本。
全く小野さんのインタビューとか新作とかは掲載されておりません。
 
辻村深月さん×荻原規子さん×池澤春菜さんの対談では、辻村さんのオタクっぽい小学生時代を垣間見る事ができたり(笑)、それだけでも辻村さんファンの自分は満足だったのですが、各作家さんやらのゴーストハント・・・小野さんについての解説というか考察というか、そのようなものが多数収録されています。
 
ちょっと人によっては分かりにくいなというのもありますが、例えば初めてこのシリーズを読みます、という人には入門編として読んでみるのも良いかもしれません。
 
個人的にはそこまでガッカリ感はなかったですが、コアなファンには物足りないかもしれません。
 
いなだ詩穂さんのラフ画が綺麗です。
そしてシリーズ続編も一回で打ち切りだったようですが未読なので読んでみたいです。もう読む事も難しいのでしょうかね?
(4点)