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ソロモンの偽証 第II部 決意

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騒動の渦中にいるくせに僕たちは何も知ろうといなかった。けど、彼女は起ちあがった。校舎を覆う悪意を拭い去ろう。裁判でしか真実は見えてこない!彼女の覚悟は僕たちを揺さぶり、学校側の壁が崩れ始めた…気がつけば、走り出していた。不安と圧力の中、教師を敵に回して―他校から名乗りを上げた弁護人。その手捌きに僕たちは戦慄した。彼は史上最強の中学生か、それともダビデ使徒か―。開廷の迫る中で浮上した第三の影、そしてまたしても犠牲者が…僕たちはこの裁判を守れるのか!?


宮部みゆきさんの「ソロモンの偽証」三部作の第二弾。
 
ようやく続きが読める!
と思って読み進めるのですが、何しろ1冊がかなり分厚いのでなかなか読み終わりません。
 
しかしそれは読み進めるペースが重い訳ではなく、むしろぐいぐい惹きこまれていきます。
第一部より「裁判」の関係者(中学生たち)にスポットをあてているので、かなり感情移入しやすく読みやすい感じになっていますね。
 
奥田英朗さんの「沈黙の町で」はより現実的で実際に起こりうる内容だなと思う救いようのない展開だけど、こちらは【スーパー中学生】達が事件の真相を求め、裁判を開廷する、というこんな中学生いないよーと思う展開ではあります。
 
奥田さんの作品も勿論読んで良かったほどの作品でしたけど、フィクションとして十分楽しめるのは宮部さんだからこそ、なんだろうなあ。意見がかなり分かれているようですが、私はこういう小説、全然大丈夫。大好きです。
裁判に関わるどの生徒も、スクールカーストの最下層から最上位までバラバラ。
目立たなくておとなしい生徒、と思われていた野田が実はそうではなかったこと、優等生の涼子から見たら苦手だった人、あまり良い印象ではなかった人も、実際に行動を共にしていくうちに見えなかった一面が見えてきて、見方が変わっていく様は良かったですね。
 
宮部さんは本当に登場人物たちに愛情を持って書かれている印象。
 
スーパー中学生達の裁判の結果は?
 
そして、神原と柏木の関係性がかなり気になるところ。
第三部を読めるのはいつの日か?!
 
2015年お正月に映画公開予定だそうで。出演者オーディションもしている様子。全く無名の子で、原作のイメージにあったキャスティングを希望。
(4.5点)