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島はぼくらと

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母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。美人で気が強く、どこか醒めた網元の一人娘、衣花。父のロハスに巻き込まれ、東京から連れてこられた源樹。熱心な演劇部員なのに、思うように練習に出られない新。

島に高校がないため、4人はフェリーで本土に通う。「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、Iターン青年の後悔、島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。故郷を巣立つ前に知った大切なこと――


辻村深月さんの最新刊!
 
新刊が発売されているのを、たまたま書店をぶらついていた時に発見。
読みたいけれど、また図書館待ちかなあと思っていた所、サイン会を行う事を知り、急いで有楽町まで行って購入してしまいました。
奇しくもその日、王様のブランチで辻村さんの特集がされた日だったせいもあり、その週末のうちにサイン会の整理券は配布終了となっており、ギリギリセーフでした。
 
本日そのサイン会当日だったのですが、18時半開始で20時前にようやくサインをもらえて帰ってきました。
 
一人一人の方とお話をしてくださって、緊張して話せない私にも、「前から読んでくださっているんですか?」と言っていただき、「どの作品が好きですか?」と言われたので、子ども達は夜と遊ぶだと言ったところ、この作品のイラストにもアサギマダラ(蝶)が偶然描かれているのだ、という話を窺いました。
また、何故分かったのか(笑)、「浅葱が好きなんですか?」と言われ、「機会があったらまた浅葱も登場させたいです」というような言葉もいただきました。
 
前々からサイン会の度に行っているのですが、今のところまだ登場していないんですよね。
 
さてさて、今回は脚本家のくだりが出てきたので、もしかしたらあの人が・・・と思っていたリンクがあり、凄く嬉しかったですね。講談社から出るとそういった楽しみもあって良い!
 
また、いつもの田舎の閉そく感やネガティブに捉えた感じではなく、帰る場所として存在する田舎があるのだ、ということを丁寧に描いていて、何だか羨ましくなりました。
 
また、4人の関係が凄く良いですよね。
とても爽やかで、ホロ苦くて。何だか青春を謳歌したかのような爽やかな読後感でした。
 
いつもみたいに、ぎゅーっと胸をつぶされるようなハラハラ感はないけれど、こういった穏やかなストーリーも良いなあ。それは、辻村さんが描くキャラクターがとても魅力的だからなのでしょう。
 
次回作も楽しみ。
(4.5点)